2016年12月06日

【映画評】湯を沸かすほどの熱い愛

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SWITCH Vol.33 No.10 宮沢りえ「女優」
SWITCH Vol.33 No.10 宮沢りえ「女優」

近年稀に見る豊作ラッシュの邦画界でして、当ブログ的には最優秀主演女優賞を宮沢さんへ差し上げたい。「【映画評】紙の月」より桁違いでよかったですよ。

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』オフィシャルサイト

イントロダクション
死にゆく母の熱い想いと、想像もつかない驚きのラストに、涙と生きる力がほとばしる家族の愛の物語。宮沢りえ他、豪華キャストの心を沸かしたオリジナル脚本

“死にゆく母と、残される家族が紡ぎだす愛”という普遍的なテーマを、想像できない展開とラストにより、涙と生きる力がほとばしる、驚きと感動の詰まった物語に昇華させた本作。自身が手がけたオリジナル脚本で商業デビューを飾ったのは、自主制作映画『チチを撮りに』(12)が、ベルリン国際映画祭他、国内外10を超える映画祭で絶賛された、中野量太監督。脚本を読み、「心が沸かされた」と出演を決めたのは、『紙の月』(14)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞他、2014年の賞レースを総なめにし、名実ともに日本を代表する女優となった宮沢りえ。会う人すべてを包みこむ優しさと強さを持ちながら、人間味溢れる普通の“お母ちゃん"という双葉役を、その演技力と熱量で見事にスクリーンに焼きつけました。気弱で引きこもり寸前の娘・安澄には、今もっとも注目の実力派若手女優・杉咲花。母の死に向かい合い、たくましく成長していく安澄を圧倒的な力で演じ切り、観る者の心を捉えて離しません。そして、頼りないけどなぜか憎めないお父ちゃんを演じるのはオダギリジョー、旅先で知り合った双葉の母性に触れ、人生を見つめ直していく青年・拓海役に松坂桃李他、篠原ゆき子、駿河太郎、オーディションで選ばれた期待の新人子役・伊東蒼が新しい家族の物語を彩ります。
この家族の熱い愛と、大きな秘密を、ぜひ皆さんも共有してください。

ストーリー
余命2ケ月。私には、死ぬまでにするべきことがある。
銭湯「 幸 さち の湯」を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと 出 しゅっ 奔 ぽん し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。
そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。
○家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる 
○気が優しすぎる娘を独り立ちさせる 
○娘をある人に会わせる
その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母を 葬 おく ることを決意する。

プロダクションノート
2つの「幸の湯」
この映画のもう一人の主役ともいえる銭湯は、実は2箇所の銭湯が使われている。「幸の湯」内部のシーンは、2015年5月に惜しまれつつもその歴史に幕を下ろした、東京最古級の木造建築銭湯「月の湯」で撮影。全編撮了後の7月には解体され、今はもうその姿を見ることはできない。「月の湯」は細い路地に面しており、外観と釜場のシーンを撮影することは不可能だったため、それらのシーンは足利市にある「花の湯」で行われた。撮影中も夜は通常営業されており、撮影の合間にきた常連のお客さんが「湯気のごとく、店主が蒸発しました。当分の間、お湯は沸きません。」という張り紙を本物と勘違いするハプニングも。撮影後に監督とスタッフも利用させてもらい、その湯を堪能。撮影の疲れを癒した。

静岡・戸田港にて
双葉、安澄、鮎子の女3人旅の到着地、高足ガニの食べられる食堂と海に面した駐車場でのシーンは静岡県の戸田港で撮影。撮影に使われた高足ニはスタッフ皆で昼食時に美味しくいただく。そして、中盤のクライマックスとも言える、双葉が安澄に衝撃の事実を告げる車中のシーンは、今にも降り出しそうな空模様の中で撮影が行われた。当初、中野監督は晴天を想定していたが、2人の苦しみと葛藤を全身全霊で演じる宮沢、杉咲に呼応するような不穏な天気で、結果的にはこのシーンがより素晴らしいものになったと、中野監督も大満足のシーンとなった。

「愛のゆくえ」
ラストシーンから印象的に流れ始める主題歌「愛のゆくえ」は、中野監督からの熱烈なオファーを受けて、きのこ帝国が書き下ろした曲。ボーカル・ギターの佐藤千亜妃は脚本を読みこみ、中野監督と撮影開始直前に最初の打合わせを行った。中野監督から「最後は残された家族が母を想う、でも決して悲しみではなく、これからもしっかりと生きていくポジティブな心境に、観客がすっと寄り添えるような曲を」というイメージと、ラストシーンの明確なカットの流れを聞いた佐藤は、撮影中は足利市の「花の湯」にも足を運び銭湯を見学。釜場、煙突などを見て、イメージを膨らませていった。そして映像にきっちりと秒数を合わせた形で曲を作り上げた。そのおかげで、驚き、感動、そしてポジティブな気持ちに観客の心を 誘 いざな う素晴らしいラストとなった。




中野量太監督の初作品だそうです。杉咲花は「【映画評】トイレのピエタ」で当ブログも絶賛していました。続々若い才能が開花していますね。サヨクが描く良心的ファミリー映画な山田洋次路線は大嫌いですが、これは熱い。よかった。「醒めた」だの「ドン引き」だのと賛否両論となった過剰演出もありましたが、当ブログ的には無問題。初作品から引き算のテクニックなんか使ったら気持ち悪いよ。蟹のシーンは女性客が一斉に鼻を啜り始めましたし。

篠原ゆき子さんは「【映画評】共喰い」での常軌を逸したマゾヒストセックス描写が印象的な女優さん。リリイさんはリアルとラップ。ご冥福をお祈りします。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆

そろそろ拙ブログでも映画年間ランキングを考える時期となりましたが、邦画だけでも湯を沸かす、永い言い訳、聲の形、劇場版ユーフォ、リップヴァンウィンクル、planetarian、ディストラクションベイビー等悶々状態。君の名は、淵に立つの扱いも悩ましいです。不完全作この世界の片隅には保留扱いですね。

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 
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