2016年11月11日

【映画評】ヒップスター

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欧米人から見た東日本大震災とは?

映画『ヒップスター』公式サイト

イントロダクション
米映画批評サイト「ロッテントマト」で99%の満足率を獲得、じんわりと心温まるストーリーが口コミとなり日本でも異例の大ヒットとなった『ショート・ターム』が記憶に新しいデスティン・ダニエル・クレットン監督、鮮烈のデビュー作『ヒップスター』(原題:I AM NOT A HIPSTER)がついに日本に登場。

ロバート・レッドフォードが主催する米最大の映画祭、サンダンス映画祭に正式出品された本作で、世界にその実力を示したデスティン・クレットンは、ミューズでもあり、『ショート・ターム』が出世作となったブリー・ラーソンをオスカー女優へと導いた※とも称され、その演出手腕にハリウッドの俳優陣たちからも熱い視線が集まる注目の実力派監督。

サンディエゴのインディミュージック/アートシーンを舞台に、悲劇に直面してもなお、クリエイティブであろうとするアーティストの姿を描いたヒューマンドラマ。
サウンドトラックが大好評だった『ショート・ターム』の作曲家であり、クレットン監督の盟友でもあるジョエル・P・ウェストとタッグを組んだオリジナル曲の演奏シーンも聴きどころ。主演のドミニク・ボガートは、ブロードウェイミュージカル『ジャージー・ボーイズ』のシカゴ公演で、主演のノーム・ワックスマン役の強烈なキャラクターを演じているところを、監督のデスティン・クレットンに見いだされ、本作の主役に抜擢された。また劇中で使われているホームビデオのフラッシュバックの映像は、実際にこどもたちにカメラを持たせて撮影させ、ノスタルジックなムードを醸し出しているところも、リアリティにこだわるクレットン監督らしい演出となっている。
※ブリー・ラーソンは、『ショート・ターム』で一躍注目を浴びた2年後に主演した『ルーム』で、2016年度第88回アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しました。

ストーリー
地元でファンを増やしつつある、ある若きシンガーソングライター、ブルック・ハイド。無気力な日々を送る彼のもとへ、ある日、父親が3人の妹を連れてやってくる――母の遺灰を撒くために。この再会をきっかけに、若者はオハイオに置き忘れてきた過去の自分を思い出し、別人のようになった今の自分と向き合っていく……。

ディレクターズ・ステイトメント
 映画が作れず、なんとなくもやもやしていた頃、あるときプロデューサーのロン・ネイジャーが私を座らせて、こんなことを言ったんです。「君と一緒に映画を作りたい。駄作になってもいい。とにかく何か作りたいんだ」と。本人は気づいてなかったでしょうが、私はその言葉で救われた気がしました。私にとっては、それほど大きな意味を持つ言葉でした。リスクを恐れる必要はないと感じ、今までやらなかったことを試そうと思いました。何も恐れることなく、書きたいストーリーを書こうと。失敗を恐れることがなければ、他に怖いものなんてありませんから。

脚本を書き始めた頃は、最終的にどういう物語になるのかは考えずに進めました。ただ、私が十年間暮らすうちに、すっかり恋に落ちてしまった、このサンディエゴという街のインディミュージックシーンやアートシーンをテーマに、愉快なストーリーを語りたい、それだけは決まってました。

こういう脚本を書いたのは、実のところ、お気に入りの2人のアーティストと一緒に仕事をしたかったからでもあります。それがドミニク・ボガート(映画でも舞台でも、私を驚かせてやまない俳優です)と、ジョエル・P・ウェスト(素晴らしいメロディで長年、私にインスピレーションを与えてきたミュージシャン)でした。

ドミニクは大変だったろうと思います。出演シーンが多いことに加え、映画の中でライブ演奏する5曲をギターで弾けるようになる必要もあったんです。完成した映画には心から満足しています。特に俳優たちの演技と、ライブ演奏の素晴らしさはちょっと自慢したいくらい。監督の私が惚れ込んでいるのですから、間違いはありません。皆さんにスクリーンでこの映画を観て、聴いてもらうのが待ちきれません。

『ヒップスター』は、単なるすかしたヒップスターの映画でも、クールになろうと努力する20代のオトコの話でもありません。笑えるシーンも多いのですが、パロディとも違う。撮影を続けるうちに、それ以上のものになったんです。3人の姉と一緒に笑い合うことを思い出す弟の話になり、父親と心を通わせようとする息子の話になり、悲しみの中でも愛し合おうとする家族の話になり、悲劇に遭っても歌えるんだと気づく若者の話になっていった。

 最終的にこういうストーリーになった唯一の理由は、私自身が失敗しても構わないと思っていたから。撮影中はずっと、スタッフ全員がそういう意識を持っていました。撮影、音楽、演技、衣装などに関する決断が必要になったら、当事者全員に「リスクを恐れるな」と伝えるだけです。完璧でなくてもいい。完全な失敗だったとしても、それで構わない。だからとにかく新しいことをやってみて、どうなるか見てみようと。本作はそういうスタンスで撮影された作品です。

 お金を儲けようとか、大勢の観客に届けようなんて思いはこれっぽっちもなかった。もちろん、サンダンスで上映されることなど考えてもいませんでした。僕らはただ、何かを作ろうとしただけ。そうやってこの映画は完成し、2012年のサンダンス映画祭でプレミア上映されることになりました。みんなで心を自由にした結果です。せっかくだから、できるだけ多くのみなさんと、この映画体験をシェアできたら嬉しいです。




【映画評】ショート・ターム(Short Term 12)」デスティン・クレットン監督デビュー作。前作映画評文尾に「ヒップスターが観たい」と書いていまして、願ったり叶ったり。

上述イントロダクション等では触れられていませんが、諸々行き詰まっている主人公が日夜繰り返し見ているのはyoutubeの東日本大震災津波映像。主人公は久し振りに再開した妹へ尋ねます。「ミキ・エンドウって聞いたことあるか?(Ever hear of Miki Endo?)」「どこのミキ?(Miki who?)」

私も彼女の名前を失念していました。映画館の座席で一人恥ずかったです。
NHKスペシャルで、遺族限定公開?の「南三陸町防災庁舎写真」公開される
【東日本大震災】最期まで防災放送を続けた南三陸町職員遠藤未希さん(25)安否不明

スクリプトは下記の通り。

(Speaking Japanese on video)
MAN: Whoa, whoa, whoa, whoa, whoa.
What are you doing?
(Speaking Japanese on video)
Are you all right?
Ever hear of Miki Endo?
Miki who?
She lived in one of the cities that got hit the worst.
Over half the people died there.
She was the one broadcasting the warnings on the local station,
telling everyone to get to higher ground.
She kept saying, over and over, "Get to higher ground.
The tsunami is coming," over and over and over.
She never let go of the microphone,
until the waves just destroyed the whole city.
One of the old men that made it to safety
been listening to her broadcasts
said they saw her get swept away.
(Speaking Japanese)
She was younger than me.
(Speaking Japanese)
***, it hurts so bad.


亡くなった町職員の遠藤未希さんの呼びかけがすべて収録されているほか、呼びかけがどのような判断で行われていたかをうかがわせるものとなっています。
入手した音声は、津波で職員や住民、合わせて41人が亡くなった南三陸町の防災対策庁舎から発信された、およそ30分の防災無線の放送をすべて収録したものです。
地震発生の直後から放送が始まり、サイレンに続いて、危機管理課の職員だった遠藤未希さんが「震度6弱の地震を観測しました。津波が予想されますので、高台へ避難して下さい」と呼びかけていました。
この時点で大津波警報は出ていませんでしたが、町は独自の判断で津波への警戒を呼びかけていました。
周囲にいた人の声も収録されていて、大津波警報が出たあと、津波の高さについて「最大6メートルを入れて」と指示され、未希さんは、6メートルという情報と「急いで」とか「直ちに」という言葉を呼びかけに付け加えていました。

また、周囲の「潮が引いている」という言葉に反応して「ただいま、海面に変化が見られます」と臨機応変に対応していたことも分かります。
津波を目撃したとみられる職員の緊迫した声のあと、未希さんの呼びかけは「津波が襲来しています」という表現に変わっていましたが、高さについては「最大で6メートル」という表現が続き、最後の4回だけ「10メートル」に変わっていました。
当時、未希さんたちと一緒に放送を出していた佐藤智係長は「水門の高さが5.5メートルあり、防災対策庁舎の高さも12メートルあったので、6メートルならば庁舎を越えるような津波は来ないと思っていた」と話しています。

音声は、なおも放送を続けようとする未希さんの声を遮るように「上へあがっぺ、未希ちゃん、あがっぺ」という周囲の制止のことばで終わっていました。
呼びかけは62回で、このうち18回は課長補佐の三浦毅さんが行っていました。
男性の声でも呼びかけて、緊張感を持ってもらおうとしたということです。
三浦さんは今も行方が分かっていません。
この音声を初めて聞いた未希さんの母親の遠藤美恵子さんは「この放送を聞いて、本当に頑張ったんだと分かりました。親として子どもを守ってあげられなかったけど、私たちが未希に守られて、本当にご苦労さまというしかないです」と話していました。




miki endo

満足度(5点満点)
☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(2)映画 | 自然災害
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コメント
なみだでそう。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年11月11日 13:45

この放送を聴きたいけれど、

切ないので今はまだ聴きません。

ソ連の終戦直後の条約違反の侵攻時の

通信係りの方々の最期を思い出します。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年11月12日 12:25
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