2016年10月05日

【映画評】神のゆらぎ

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「エホバの証人」の悲劇―ものみの塔教団の素顔に迫る
「エホバの証人」の悲劇―ものみの塔教団の素顔に迫る

グザヴィエ・ドラン主演。医療行為と「エホバの証人」を描いた仏語カナダ映画。

映画『神のゆらぎ』公式サイト

イントロダクション
新世代のゲームチェンジャー、グザヴィエ・ドランが出演を熱望。
『Mommy/マミー』でカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞、また最新作『IT'S ONLY THE END OF THE WORLD』が、第69回カンヌ国際映画祭のコンペ部門に正式出品され、今もっとも勢いのある若手実力派監督であり自身も俳優として活躍めざましいグザヴィエ・ドランが、「今までやったことがない役どころだったので、ぜひ演じてみたいと思った」と出演を熱望した、秀逸な脚本によるサスペンスタッチのヒューマンドラマ。

ストーリー
時に人は、ただ奇跡が起きるのを待つしかない。

ともにエホバの証人である看護師と、末期の白血病を患うフィアンセ(グザヴィエ・ドラン)。老境にありながら情熱的な不倫を続ける、バーテンの男とクロークの女。互いへの失望を偽りながら暮らす、アル中の妻とギャンブル狂の夫。そして取り返しのつかない過ちを償うためドラッグの運び屋となるひとりの男……。複数のものがたりが現在と過去を往来しながら、終着点—墜落する運命にあるキューバ行きの機内へと向かう…。

私の選択が、知らない誰かの運命を変える。

彼らは気づかない。自分の決断が思わぬところで、他人の運命を変えてしまっていることに。正しい選択とは何なのか。人間に許された最良の決断とは?

グザヴィエ・ドラン コメント
私は映画監督ですが、意識としては「俳優業」が一義的です。ただ待っていてもやりたい役のオファーが来ないので自分で自分に役を与えるために監督になったのです。『神のゆらぎ』ではエホバの証人のカップルを演じていますが、いままで演じたことがない新しい役どころだったので、ぜひやってみたいと思いました。役者というものは常に新しい演技を探求する性分なんだと思います。特に今回の役では、宗教の制約から恋人にさえ輸血を拒み死ぬことをよしとするとても難しいキャラクターですが、彼には彼の考え方があって、それを頑なに信じている男なのだと思います。僕にはそんな彼が「とても愛おしい人間」と思えるのです。エホバの証人という宗教心については、とくに感じるものはありません。エホバはホモセクシャルを禁じている宗教ですが、この登場人物を卑下しているわけでもなく、ただ彼の皮膚と自分を同化させるだけだ、と捉えています。僕自身、幼い頃に厳格なカソリックの叔母に連れられて教会へ通っていた経験があることから、何かを強く信じる人間の心について理解がある方だと思います。ですから信仰心がある人間を演じるのは僕にとって難しいことではありません。人が何かを信じるということの意味は理解しているつもりです。




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「飛行機が落ちるのは全能の神が存在しないからだ」というセリフが繰り返し流れまして、即ち本作はエホバに対し否定的立ち位置にある表明なのでしょう。排斥覚悟で禁忌に挑んだ主人公は恋人も患者も救えなかったという意地悪なオチ。

全体構成は「怒り」と同じパラレル仕立てで、且つ話が面白くないのも「怒り」同様。「怒り」とは違い時系列トリックを内包しているのが救い。「怒り」映画評では「広瀬すず話一本に絞ればよかったのに」と書きましたが、本作も同じく「エホバ」一本に絞れば締まった作品になったかも。多段展開で風呂敷を広げる必然性は尺稼ぎ以外感じられません。柔道二段娘との近親相姦ネタも置き去り。

そういう散漫さは否めぬも、何より「エホバ」に斬り込む商業作品という希少性は評価すべきで、内容的にもカルト宗教マニアが得心するネガティブなカタルシス効果は得られます。不謹慎ではありますが。

主演女優のマリリン・キャストンゲさん(34)初めて拝見しましたが、非常に目が印象的な美人女優。「棄教」シーンは凄くよかった。ググりましたが出演作としては本邦初披露の模様。カナダのテレビドラマ中心にご活躍されているそうで、機会があればまたスクリーンでお逢いしたいです。

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満足度(5点満点)
☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(2)映画 | カルト
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コメント
現代において、いかさまな禁忌を持つ宗教は害悪でしかないってことですな。
エホバの証人もイスラム教もユダヤ教も駄目。

それでも、そんないかさまを信じる人々が大多数の世界で、なんとか折り合って暮らすしかないわけですわ。いやはやなんとも。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年10月05日 16:26
ビートたけしがドラマでやってたなあ
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年10月06日 00:00
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