2016年08月12日

【書評】立華高校マーチングバンドへようこそ 前編

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響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編 (宝島社文庫)
響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編 (宝島社文庫)

カバー絵は糞ラノベですが、中身は隣のサイコさんでした。超面白い。
以下、もろネタバレなので未読の人は読まないでね。









強豪校故の弱肉強食。強い者が保護者気取りで弱い者を捕食し偽善的快楽に耽るちょっと壊れた青春。

時節柄、タイミング的に思い当たるのが「NEW GAME」です。一時的は師と仰いでいたコウちゃんへの上から発言で怒鳴られた青葉、久美子は先輩からユーフォを蹴られ、麗奈は脇目もふらず滝先生一筋でしたが、あずにゃんは代理ミュンヒハウゼン症候群。しかも努力を惜しまない天狗なのでたち悪く手に負えない。まさにブラック高坂。

それを喝破するのが立華の上級生と中学の同級生芹那。同じパートの三年生からは「意識高すぎ」「自意識過剰」と指摘されても動ぜず、中学の時は芹那に「病気」と罵られるも快感を禁じ得ず、高校進学後は黄檗駅で芹那に面罵されながら興奮するあずにゃんのアブノーマルさ。大吉山で久美子に対し麗奈が吐露した「友達ごっこ」はまさに同じ部員だったあずにゃんを嫌悪警告する言葉だったのか。サンフェスでフルネームで「高坂麗奈」と呼んだ違和感、京都府大会舞台裏で手を振り合うあずにゃんと久美子の間に割り込み「狐がいい」エピソード等が、麗奈、梓2人の人間関係の距離感を可視化していたと考えると面白い。

期待の後編ですが、新ポジションで演技性人格障害あみかの才能が発芽するのは鉄板と思われ、恰好のペットを失ったあずにゃんとカラーガード隊長桃花パイセンとの、あみかを巡る軋轢。更には芹那をわざわざ北宇治高設定にした訳ですから久美子か麗奈、芹那、あずにゃんが絡むのは明白で、エピローグの「梓にとって私は何?」の主語が誰だったのか?の回収が物語の山なのかも。最初にページ捲った時は久美子かと思っていましたが、老倉育的役回りな芹那の蓋然性が高そう。

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武田 綾乃

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コメント
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/li/1013323
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年08月18日 06:01
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