2016年05月25日

【映画評】ディストラクション・ベイビーズ

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映画『ディストラクション・ベイビーズ』オフィシャルブック
映画『ディストラクション・ベイビーズ』オフィシャルブック

怒涛の小松菜奈銀幕シリーズ。内容は期待以上の出来でした。

映画『ディストラクション・ベイビーズ』公式サイト

イントロダクション
ほとばしる剥き出しの魂 日本映画史上もっとも過激な108分

剥き出しの魂が沸騰する。路上でいきなり見知らぬ人間に殴りかかり、ストリート・ファイトを繰り返す野獣のような若者。その異形のオーラとカリスマ性に惹きつけられ、共に凶行に及んでいく“恐るべき子供たち”──。脳髄がくらくらする衝撃、まさにこの映画自体が事件。日本から世界を震撼させる鮮烈な青春映画の登場だ。監督は新鋭ながらすでに高い評価を得る鬼才・真利子哲也。『極東のマンション』など初期の自主映画で伝説を作り、東京藝術大学大学院の修了作品『イエローキッド』がロードショー公開。大ブレイク直前のももいろクローバーが出演した怪作『NINIFUNI』はロカルノ(スイス)やロッテルダム(オランダ)の国際映画祭で特別上映されるなど、そのエッジーな作風に国内外で中毒者が続出。若くしてカルト的人気を誇る日本映画界の最終兵器だ。

今回は彼の商業映画デビュー作となる。監督の希望で共同脚本に『桐島、部活やめるってよ』の喜安浩平を迎えたオリジナルの世界観は、ここで徹底的に研ぎ澄まされた。「すべてをやりきった」と本人が語るとおり、純正100%、真利子(マリコ)映画の極限のかたちが満を持して世に放たれる。
映画の舞台は愛媛県松山市。中心部の街の商店街や三津浜にある造船所など、オールロケーションで撮影された。本作は真利子監督が、松山に足を運び風土や実際の住民たちからインスパイアされたものが大きく、映画と土地は切り離せない。また現代の若者たちの乾いた暴力に対比されるものとして、松山の伝統的な喧嘩祭りとして知られる秋祭りが配されている。現実の社会や人間模様をクールに見据える視座を土台としつつ、寓話的な想像力でジャンプした。これはリアリズムを軸とした観る者に得も言われぬ感情を呼び覚ます異端のフェアリーテイル(おとぎ話)でもあるのだ。

柳楽優弥×菅田将暉×小松菜奈×村上虹郎 新鋭 真利子哲也が生み出した刺激的で挑発的な衝撃作!

才能は才能を呼ぶ。監督の磁力と惹き合うように、いま最も注目される若手・新鋭俳優陣が集結。
最強のドリームキャストが奇跡的にそろった。狂気と表裏一体のピュアネスを湛えるカリスマ的主人公・芦原泰良には、柳楽優弥。おのれの欲望に忠実に、強そうなヤツを見つけては喧嘩を挑む過剰な生命力にあふれたアウトサイダーであり、超人的なダークヒーロー。『誰も知らない』でデビュー以降、常に高いハードルを自らに課してきた柳楽にとって新たな代表作となった。そんな泰良の相棒となり事件を加速させていく高校生・裕也には、菅田将暉。『そこのみにて光輝く』など多数の話題作に出演し、変幻自在の活躍を見せる彼が若手演技派No.1の実力を遺憾なく発揮する。泰良たちの危険な遊びに巻き込まれる少女・那奈には『渇き。』『バクマン。』など時代のミューズとして輝く小松菜奈。姿を消した兄・泰良を探す弟・将太には、『2つ目の窓』でデビュー以降驚異的に進化し続ける村上虹郎。さらに池松壮亮、北村匠海、三浦誠己、そして、でんでんと、各世代を代表する硬質の名優たちが脇をガッチリ固める。音楽は向井秀徳。フリーキーな先鋭的ビートを探究するロックバンド、ZAZEN BOYSを率いる彼が、今回はジャズ・ミュージシャンと特別編成。フリージャズ的なアプローチで映像と凶暴に絡みつくスコアと、エンディング・テーマ曲「約束」を制作。向井の音楽から多大な影響を受けた真利子監督からの直接の依頼を受け、かねてから真利子作品に興味を寄せていた向井による待望のコラボレーションが実現した。

ストーリー
愛媛県松山市西部の小さな港町・三津浜。海沿いの造船所のプレハブ小屋に、ふたりきりで暮らす芦原泰良と弟の将太。日々、喧嘩に明け暮れていた泰良は、ある日を境に三津浜から姿を消す──。それからしばらく経ち、松山の中心街。強そうな相手を見つけては喧嘩を仕掛け、逆に打ちのめされても食い下がる泰良の姿があった。
街の中で野獣のように生きる泰良に興味を持った高校生・北原裕也。彼は「あんた、すげえな!オレとおもしろいことしようや」と泰良に声をかける。こうしてふたりの危険な遊びが始まった。やがて車を強奪したふたりは、そこに乗りあわせていたキャバクラで働く少女・那奈をむりやり後部座席に押し込み、松山市外へ向かう。その頃、将太は、自分をおいて消えた兄を捜すため、松山市内へとやってきていた。泰良と裕也が起こした事件はインターネットで瞬く間に拡散し、警察も動き出している。果たして兄弟は再会できるのか、そして車を走らせた若者たちの凶行のゆくえは──

キャストコメント

柳楽優弥
暴力描写がとても多く、少年犯罪という問題をベースにストーリーが進んでいきます。このような題材がオリジナル脚本から劇場で公開されることをとても嬉しく思います。監督、スタッフ、キャスト皆が同じベクトルを以ってこの作品を盛り上げ、撮影現場には常に危うさと興奮がありました。仕上がりを観るのが、とても楽しみな作品です。劇中、泰良が発する言葉は五つほどしかなく、その代わりに行動や表情から彼の気持ちが表現出来ていれば嬉しいです。そして、真利子組で泰良という役を演じる事が出来て光栄でした。

菅田将暉
撮影中、「阿修羅みたいだったよ」とニヤニヤしながら真利子監督が近づいてきてくれた事がありました。その時、衣裳合わせで「新しい菅田将暉を撮りたい」と仰ってくれた監督の顔が浮かび僕もニヤニヤしました。とても心地良い瞬間でした。人間の欲深さと衝動に反比例して実感していく現実への恐怖に僕自身答えが見つかりませんでした。でもそれが人間なんだと改めて感じました。そんな真利子組ならではの生々しさとファンタジーの両方を兼ね備えた新世界に生きるのが楽しくて仕方ありませんでした。

小松菜奈
今回、那奈を演じさせてもらいました。私と名前が同じこの那奈は心の底から悪い女です。人生初めて髪の毛を染めたり、初めてアクションをしたりと今までとはまた違う役に入る感じがしました。お芝居中はとにかく無我夢中で記憶がそんなにありません。それほど気持ちに余裕がなく過酷なもので、逃げたいと思う事もたたあった事は間違いないです。こんなにも役を演じていて「孤独・恐怖・嫉妬・欺瞞」全くポジティブ要素が一つもない役… でも、やりがいはとてもありました。

真利子監督
偶然、松山にある呑み屋で興味深い人と知り合い、取材をはじめ脚本を書き進めて、およそ3年かかりましたが、ようやくここまできました。オリジナルの題材で困難はあったものの今このタイミングでしかできないこともたくさん盛り込んで、集まった役者やスタッフをはじめ、愛媛で知り合った仲間たちも混じえて、ゼロから作り上げた手応えがあります。目下、痺れるような仕上がりになるように完成まで油断せずやっていこうと思う次第です。




大街道は昨年だっけ?アーケードのマクドナルド2階席でコーヒー飲みましたよ。松山宿泊は全日空ホテル利用とか多いので、映画のロケ地界隈は結構お馴染みだったりします。

主役の柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈。前からこの三人は頭おかしいと思っていましたが、役にドハマリ。キャラ立ちまくり。菅田将暉は小松菜奈のおっぱい揉みまくり。小松菜奈は菅田蹴りまくり。柳楽くんはドラマ「ゆとりですが」のキャラが更にぶっ飛んだ感じ。劇中、モブのセリフで「気違いやん」というのがありましたが、まさに気違い。昨年の映画「味園ユニバース」で渋谷すばるでは届かなかった領域を易易と乗り越えた感じ。音楽はこの前の紅白で林檎ちゃんサポートした元ナンバー・ガールの向井秀徳さんという布陣での総力戦。唯、実写版「あの花」以来のUAの息子は役柄上目立つこともなく残念でした。

そうそう。なんJとかニュー速民っぽいにちゃんねる描写がリアルで笑いました。スレタイ「喧嘩に強いやつちょっと来い」みたいな。

こういう不条理系且つ荒々しくもきちんと作品に仕上がってる邦画ってのはあまり記憶になく、それこそ元気が良かった頃のハネケとかリンチ、タランティーノのお家芸だったのですが、邦画界も次々若手監督が現れ、尖った若手俳優を存分に動かす様は小気味いいですね。「ワイルド・アット・ハート」とか好きな人にお勧めです。

いずれにせよ、クソ女役を堂々と演じ切った小松菜奈。

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満足度(5点満点)
☆☆☆☆

小松菜奈×菅田将暉コンビ次回作「溺れるナイフ」楽しみですね。

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