2015年12月17日

【映画評】サクラメント 死の楽園

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こちらの続き。
【イーライ・ロス】人民寺院映画「サクラメント 死の楽園」食人族映画「グリーンインフェルノ」11月より本邦劇場公開

イーライ・ロス×タイ・ウェスト×VICEによる「人民寺院事件」モキュメンタリー映画。

28公開


イントロダクション
1978年に全世界を震撼させたカルト教団“人民寺院”の信者による集団自殺。教祖ジム・ジョーンズのもと、914人が一斉に自殺し、9.11テロ以前ではアメリカ史上最悪の犠牲者を出した事件としていまなお語り継がれている。この衝撃の実話をもとに、『キャビン・フィーバー』、『ホステル』、そして『グリーン・インフェルノ』を監督したホラー映画界のカリスマ、イーライ・ロスが製作を担当。『V/H/S シンドローム』を監督し、イーライ・ロスが絶大な信頼を寄せるホラー映画界の俊英タイ・ウェストが監督を務める。今、ホラー映画界を牽引する2人が観客たちを映画の枠を超えた“事件”へと誘う!!

全編P.O.V.<主観映像>で撮影され、観客は全員、集団自殺の事件現場に放り込まれる。平和に見えた世界が徐々に悪夢へと変わっていき、臨場感に満ちた究極の恐怖を突きつけられる。そして、目の前で行われる最悪の儀式にあなたは、なす術を持たない事件の当事者となるのだ。

「エデン教区」と名付けられた楽園を支配する教祖“ファーザー”。人々を魅了する優しき“父”でありながら悪魔のような顔をもつ彼からは、誰も逃げることは許されない。『冷たい熱帯魚』、『凶悪』に次ぐ最凶のカリスマが誕生する。この<映画=事件>が終わるとき、あなたは恐るべき真相を目の当たりにする−−。

ストーリー
ある日、連絡が途絶えていた妹から奇妙な手紙を受け取ったパトリック(ケンタッカー・オードリー)。彼は過激な取材スタイルのVICE社のサム(AJ・ボーウェン)、ジェイク(ジョー・スワンバーグ)らとともに、とある共同体へと潜入取材を敢行する。

ヘリに乗ってたどり着いたのは「エデン教区」と名付けられた場所で、皆幸せそうに暮らしており、妹も無事だった。彼女は、ここで豊かな生活ができるのは“ファーザー”のおかげだと話す。他の住民の話を聞いても皆同様に笑顔でファーザーの素晴らしさを語るのだった。真相を確かめる意味も含めてサムがファーザーにインタビューしたいと希望し、それは実現することになる。

夜になると、住民たちは一堂に会し、ファーザーの登場を待っていた。彼が現れると皆立ち上がり、拍手をして迎えた。皆が見守る中でインタビューが始まる。サムは遠慮なく切り込んだ質問をしていくも、ファーザーはそれに対して飄々(ひょうひょう)と受け答えする。その一答、一答に対して住人たちは大きくうなずき、賛同するのだった。最後には大歓声まで巻き起こり、インタビューはサムの完敗に終わる。

その後、パーティが始まり、住民たちは楽しそうに歌い、踊っていた。平和に見える<地上の楽園>だったが、不可解な空気が見え隠れし始める。一旦集会所から離れると、夜の闇から現れた少女が「私たちを助けて」と書かれた小さな紙を渡してきた。遠巻きにいるのは、単なるガイドのはずなのに銃を持つ男たち。ファーザーの部屋に忍び込むと開いていた金庫の中には無数のパスポートが置いてあった。住人たちは一様に何かに対して祈りを捧げている。そして姿を消したパトリック。あからさまに異様な雰囲気の中、一部の住人たちが何かを恐れ、ここを出たいと内密に訴えてきた。自分たちがいるのはカルト教団で、一度入ったら出ることを許されない狂った場所だと言うのだ。

事態を重く見たサムとジェイクは明朝迎えにくるヘリで脱出を試みようとするのだが、突如として銃の乱射が始まる。しかし、これはまだほんの悪夢の始まりに過ぎなかったのだ―。

インタビュー
タイウエスト監督の声明
単なるカルト教団のバッドエンディングを描く他の作品とは一線を画したジャンル映画を作ることが僕の目標でした。ニッチなファンをターゲットにした一過性の興奮に盛り上がるだけの作品以上の意味をもつ今回のような作品は、あまりないと思います。私にとって重要だったのは、彼らを愚かで猟奇的なカルト信者として描くのではなく、様々な理由があって彼らの人生において破滅的な道を選ばざるをえなかった、実在し得る人々を描くことだった。この作品を、観客たちが鑑賞後にただ怖いと思うだけでなく、この映画に描かれたことについて深く考えてしまう、そんな社会的な意味がある映画として受け取ってもらえたら嬉しいです。

Q.『サクラメント 死の楽園』のコンセプトとその背景に潜むストーリーを教えていただけますか?どのように今作のアイデアが生まれたのでしょうか?
A. 僕は常々ジョーンズタウン(カルト教団“人民寺院”の教祖ジム・ジョーンズが開拓した自給自足できる居住地)に着想を得たミニシリーズを作りたいと思っていたんだ。けれど、それは実現できそうもなく、気が遠くなるほどの時間を要することに気づいて、もっと現実味のある企画へとストーリーを改訂することにしたんだ。僕らは今、不安定な時代に生きていて、60年代や70年代に様々な理由で多くの人が“人民寺院”に加わったあの時代に似ていると思う。話を現代に置き換え、過激な潜入取材を生業とするVICE社がその現場を観客目線で語るのに最も適していると思った。ここ最近、VICE社が一番興味深く刺激的なニュースを発信しているし、彼らはそのために大きなリスクを背負っているからね。完璧な組み合わせだと思ったよ。

Q.なぜこの映画をP.O.V.<主観映像>で撮ったのですか?
A.僕は“P.O.V.スタイル”を“ニューメディア”映画の一つの手法だと思っている。VICE社のドキュメンタリースタイルを構造モデルとして採用したけれど、似たジャンルの映画を超越するストーリー、撮影手法、音響効果を盛り込めるように努めた。願わくば、この映画でただの“ファウンド・フッテージ”ものではなく、“全く新しいものを見た”と感じてもらえると嬉しいよ。

Q. キャスティングの過程について教えてください。
A. この映画の素晴らしかったことの一つが、自分自身がキャスティングを100%コントロールできたところだ。ほとんどの登場人物が実在する俳優を念頭に置きながら描いた脚本だった。そしてその全員が結果的に思惑通りのキャスティングができたんだ。僕は、監督業で大切なことの75%がキャスティングだと思っているよ。そしてキャスティングの権限を持てることが監督という仕事をより円滑に運べるし、より目指している映画を生み出す結果に繋がるんだ。

Q. 監督の過去作に出演した俳優たちに今回も出演していただいたのですか??
A.ここ数年の自分の映画に出てもらった俳優たちに出演してもらったよ。でも、彼ら全員を集結できたのは今回が初めてだね。ジーン・ジョーンズは例外だけど。彼は今まで一緒に働いたことがなかったし、会ったこともなかった。でも彼が撮影初日に見せた演技にみんなぶっ飛んだよ。その言葉が彼を表現する全てさ。

Q.どのようにVICE社がこの企画に関わったのですか?
A. VICE社の共同設立者であるスロオッシュ・アルビとは共通の友人が何人かいたんだ。僕は彼にこの映画のプレゼンをして、他のどのニュースメディアよりもVICE社をこの映画に登場させることが大切だと力説したんだ。そしたら彼は「面白そうじゃないか、ぜひやってみよう!」と快諾してくれた。夢のような交渉だったよ。

Q.「V/H/S シンドローム」の成功後、この映画では観客に何を期待しますか?
A. この映画を一連のホラー映画以上のものとして捉えてほしい。映画が怖いものであるのと同時に、カルト教団やその信者になってしまった人々について観客に新たな情報を与えて思考を促すものであってほしいと思っているよ。愚かで猟奇的なカルト教団についての映画は作りたくなかった。僕が作りたかったのは、彼らのことを観客が自分自身の問題と捉えることができ、それでも彼らのやっていることや言っていることに賛同するのではなく、彼らが“なぜ・どのよう”にこのカルト教団に参加してしまったのかを理解できるような映画にすることだった。僕はカルトが興味深く個人的なものだとわかったし、何が彼らを奇妙な生活スタイルに引き込んでしまったのかについて観客に考えてもらえたら嬉しいよ。

Q.低予算映画は制限や障害もあるかと思いますが、製作中、そういった面で困難なことに直面しましたか?
A. 困難と思ったことはなかったよ。今回の規模で作ったこの映画とビッグバジェットで作った場合のこの映画の違いは「エデン教区」のサイズが変わるくらいのものだろうね。僕らの製作予算だと170人程度のカルト教団は作れた。ジョーンズタウンは900人以上のメンバーがいたけどね。その点以外では、僕がやりたいと思っていたことはほとんどできたよ。いつもの通り、18日の撮影期間は気が狂いそうだったけどね。時間とお金がもっと欲しいと思うこともあるけど、常に十分な時間とお金に恵まれないのが映画製作の常さ。気を抜かずに妥協を利点に変えるんだ。ここ10年、インディペンデントな映画をずっと作っている。そして何度も同じスタッフと取り組んでいるんだ。僕ら同じスタッフはかなり良いチームだと思っている。

Q. 監督は脚本も書かれていますね。執筆過程と製作中の体験について脚本家としての視点でお話を聞かせていただけますか?
A. 僕は脚本、監督、編集、製作を自分の映画でやるけれど、それぞれを分けて考えたことはないんだ。それらについて僕は、すべて“映画製作”だと捉えている。今回の映画は僕の前作よりも社会的主張を強く持つ。だからいつもよりたくさんのセリフがあった。それは僕にとっては初めての経験だったが、僕の場合、特定の俳優のために書いているので彼らの声を脚本にするのは至って簡単な作業だった。製作のOKが出てから2週間で脚本を書き上げてしまったよ。俳優たちの演技はナチュラルで、みんなセリフを自分のものにしていたよ。

Q. 観客に『サクラメント 死の楽園』から何を受け取ってほしいですか?
A. カルトの思考方法をより理解してほしいね。血祭りを喜ぶ人たちが好んで観るコアなジャンル映画としてではなく、ワンランク上を極めたジャンル映画として楽しんでほしい。僕の作品をずっと観てくれていた人はわかると思うけど、この映画は今までの作品とは違う。僕は繰り返し同じ作品を作ることは決してしない。この映画は僕のキャリアの進化したものであり、今までの延長線上にあるものでもある。

Q. イーライ・ロスと一つのプロジェクトで関わることはどうでしたか?彼は作品とあなたのキャリアにどう影響しましたか?
A. イーライ・ロスは素晴らしいよ。僕らは10年来の友達だ。でも彼がプロデューサーとして僕の作品に参加することについては、それが良い結果を生むのか確信が持てなかった。僕は映画を作ることについて明確なビジョンを持っている。そして彼も同じだ。だから上手く相乗効果を出せるか、それとも反発してしまうのかが分からなかった。でも結果、素晴らしいコラボになったよ。そして今では彼が監督のビジョンをサポートできるクリエイティブなプロデューサーであることを信じて疑わないね。彼は、監督の映画をプロデューサーのものにするようなタイプじゃないんだ。僕らは共通して好きなものもたくさんあるけど、感受性は別だ。彼はそれをしっかりと尊重してくれた。彼は僕を守ってくれたし、そして大いに任せてくれた。監督を信頼してやりたいようにやらせてくれるプロデューサーは稀だ。僕とイーライが逆の立場だったら、僕はそうはできないかもしれない。全て僕の思った通りに製作できたのは夢みたいなことで、イーライがそれを実現させてくれたんだ。




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ローバジェットの中、よくぞここまで完成させたというのが率直な感想。物語はほぼ人民寺院事件に沿って流れていきます。だから結論まで分かるけどそこを織り込みつつ、カルト集団に関するある程度の予備知識を備えておかないと「物足らなさ感」があるかもしれません。その反面、オリジナルの「人民寺院(ジョーンズタウン事件)」でなくとも、我が国のオウム真理教、ヤマギシ会、統一教会、創価学会、ものみの塔、シールズ、9条の会など新鋭、気鋭カルト集団と嫌な接点を持ったことがある方なら、劇場スクリーンを媒介にそれらカルト信者が発する狂気がオーバーラップし嫌悪感に満ちた疑似体験出来ること間違いなし。まさにカルト・アトラクション。

人民寺院事件参考貼付。

カルトの集団自殺 - Wikipedia

人民寺院 (1978年)
詳細は「人民寺院」を参照
1978年11月18日、ガイアナのジョーンズタウンで、ジム・ジョーンズに導かれた宗教団体人民寺院の信者909人を含む918人のアメリカ人が死亡した。死者には303人の子供たちも含まれている。人民寺院の最後の会議が録音されたテープでは、「革命的自殺」のためにタンクに入った毒を飲んだ人々が記録されている。

テープでは、人民寺院の信者がアメリカ下院議員のレオ・ライアンやNBCの記者であるドン・ハリス他3名を滑走路で殺害した後、脱出を計画していたロシアへは信者達を連れていかないとジョーンズが信者達へ話している。信者達が泣いているとき、ジョーンズは「ヒステリーはやめよう。これは社会主義者や共産主義者の敗北ではない。我々が敗北したのではない。我々は尊厳をもって死ななければならない。」と語っている]。テープの最後で、ジョーンズは「我々は敗北はしなかった。我々は非人道的な世界に抗議して革命的自殺を行った。」と結んでいる。

自らに加えた銃創によるジョーンズとその専属看護師を除き、ジョーンズタウンの人々はシアン化合物による中毒で死亡した。人民寺院の「革命的自殺」は過去にも話されていて、信者達はジョーンズに渡された毒を最低でも1回は飲んでいたが、実際には毒が入っていなかった。並行して、ジョージタウンにある人民寺院の本部でも4人の信者が死亡した。






「電話でお金」「民主党」は100%詐欺であるのと同様、カルト、非カルトの見分け方にも一定の法則がありますので、本作品が示唆する一連の形式美は参考になると思います。「原理騒動」の頃から見聞きしていますが、面白半分で深淵を覗きカルトに魅入られた元ブラックジャーナリスト有田芳生民主党議員なんか典型例ですね。憎悪地獄から死ぬまで抜け出せないでしょう。

満足度(5点満点)
☆☆☆

VICEといえば翔田千里さんですが(【動画】熟女:翔田千里 - JAPORN: MILF Chisato Shouda)例の動画デリられていました。YouTubeも無粋というか、どういうこと?

YouTube


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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(1)映画 | カルト
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コメント
「深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」ですね。
ヨシフ先生・・・。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2015年12月17日 13:40
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