2015年05月30日

【映画評】ピッチ・パーフェクト

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ピッチ・パーフェクト-オリジナル・サウンドトラック(完全盤)
ピッチ・パーフェクト-オリジナル・サウンドトラック(完全盤)

三年間待たされ続けました。超面白かった。
本作でアナ・ケンドリックがブレイクに至った理由がよく分かりました。メチャメチャ可愛いし存在感あり。ラスト5イヤーズ観に行けばよかった。

映画『ピッチ・パーフェクト』


イントロダクション
音楽業界での成功を夢見るベッカは意に反して入学した大学で、アカペラの世界に遭遇。ダサいと思っていたけれど、活動を続けるうちに奥の深さに開眼。しかも「積極的には友だちになりたくない」タイプと思っていた風変わりなメンバーたちと声を合わせることで信じられないくらいに素敵なハーモニーが生まれることも発見。競争激しい大学アカペラ界の頂点を目指し、ベッカと仲間たちの挑戦が始まる!

ドラマの牽引力となるのは、アカペラ!なんか地味そうだし、楽器が演奏できずにバンド結成をあきらめた音楽好きの最後の手段のように思われがちだが、実はここ数年アメリカやヨーロッパでは密かなブームなのだ。歌を歌うだけではないのが最近のアカペラ。ヒューマン・ビートボックス(ブレイクビーツを口や鼻からの擬音で表現する技術)やボイス・パーカッション(打楽器音を声で真似る技術)を使ってロックやR&B、ヒップホップやジャズなどさまざまなジャンルの音楽を個性豊かにアレンジし、オリジナル曲とはひと味違う作品に仕上げるのがアカペラの魅力でもある。2009年からはアカペラ・オーディション番組『ザ・シング・オフ』がスタートし、スタイリッシュなカルチャー雑誌「GQ」も大学アカペラ界密着リポートを掲載。

本作は「GQ」の記事を書いた編集者ミッキー・ラプキンが執筆したノンフィクション「Pitch Perfect:The Quest for Collegiate A Cappella Glory」を元にした音楽コメディだ。2012年9月にわずか335の映画館で限定公開されたものの、週末3日間で520万ドルを超える興行成績を記録し、即座に全米拡大公開が決定。25歳以下の若者を中心とした世代に口コミで評判が広がり、ロッテントマトでも81%のポジティブ評価を獲得している。音楽コメディとしては『スクール・オブ・ロック』に次ぐ興行成績を上げ、MTVムービ・アワードやピープルズ・チョイス・アワードなどで様々な賞を受賞。公開直後に続編製作も決定した話題作がついに日本上陸する。

ベッカを演じるのは『マイレージ、マイライフ』でアカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされたアナ・ケンドリック。12歳のときにブロードウェイ・ミュージカルで女優デビューした実力派だけあって、歌唱力は抜群。「ベラーズ」入部オーディションでうたった「Cups(Pitch Perfect's ”When I'm Gone”)」はシングルカットされ、YouTubeで約1億8300万再生、全米チャート6位を記録。彼女を囲む「ベラーズ」メンバーもまた全員シンガーとしても通用する実力の持ち主だ。ベッカをスカウトするクロエ役のブリタニー・スノウは、『ヘアスプレー』でうたって踊れる女優と証明済み。「スリムなビッチに陰口を叩かれないため」と自ら“ファット”と名乗るエイミー役のレベル・ウィルソンや、自信の無さを隠したいあまり部員に厳しく当たる部長オーブリー役のアンナ・キャンプも美声を披露する。そしてアカペラ選手権の解説者として、本作のプロデューサーでもあるエリザベス・バンクスとベテランのコメディ俳優ジョン・マイケル・ヒギンズが愉快なコメントをはさんでくれる。

監督は、本作がデビューとなるジェイソン・ムーア。トニー賞受賞のブロードウェイ・ミュージカル『アべニューQ』の演出家として注目されたムーアの、青春コメディと音楽要素を巧みに組み合わせる才能を見込んだプロデューサー陣の抜擢は大正解。相容れなさそうに見える人間たちが互いに個としての素顔を理解し合うことで強い絆が培われ、その結果として美しいハーモニーを作り出す姿は、きっと観る人を興奮の渦に巻き込むはずだ。

ストーリー
バーデン大学の女性アカペラ・グループ「バーデン・ベラーズ」は、念願の全国大学アカペラ選手権出場を果たす。しかし、ソロをまかされたオーブリー(アンナ・キャンプ)が緊張のあまりにパフォーマンス中に会場に向かって嘔吐するという悲劇で幕を閉じた―

4ヶ月後、バーデン大学にベッカ(アナ・ケンドリック)が入学する。しかし音楽プロデューサーになるのが夢のベッカは進学する気は無く、同大の教授である父親の説得に折れただけだった。両親の離婚で心を閉ざした娘と仲良くしようと頑張る父親だが、ベッカは常にそっけない。大学生活に何の期待もしていないベッカは新入生勧誘ウィークでグループの新リーダーとなったオーブリーと親友クロエ(ブリタニー・スノウ)に声をかけられるが、「興味が無い」と入部を断る。部活にも授業にも興味が持てないベッカの唯一の楽しみは、大学ラジオ局でのバイトだ。CD整理という退屈な仕事だが、彼女がマッシュアップして作った音楽をイケメンDJにラジオで流してもらえたら夢の第一歩になる。偶然にも入学初日に声をかけてきた人なつっこい青年ジェシー(スカイラー・アスティン)も同じバイトで、彼がベッカに好意を抱いているのは一目瞭然だった。

ベッカが授業にも出ずに音楽作りばかりしているのを心配した父親は、「積極的に大学生活に参加してほしい。1年後に中退の気持ちが変わらなかったら、ロサンゼルス行きを許可する」と提案。シャワー中の鼻歌をクロエに聞かれ、歌唱力を絶賛されたベッカは、“タスマニア1の歌姫”を自称するファット・エイミー(レベル・ウィルソン)やエロすぎるステイシー(アレクシス・ナップ)、レズビアンのシンシア(エスター・ディーン)らとともに「ベラーズ」に入部する。なんとバイト仲間のジェシーもバンパー(アダム・ディヴァイン)率いる男性アカペラ・グループ「トレブルメーカーズ」に入部し、二人はいわばライバルとなる。

オーブリーによる厳しい特訓が始まり、ベッカたちは歌の練習はもちろん振り付けや有酸素運動に明け暮れる。前選手権でも不評だった古くさい曲ばかりで挑むが、地区予選ではかろうじて2位に滑り込めた。ところが大会後、優勝した「トレブルメーカーズ」とOBの喧嘩に巻き込まれたベッカは警察に逮捕されるハメに。その夜、警察署前で待っていた父親からロサンゼルス行きの支援をやめると伝えられたベッカは、父親に連絡したジェシーを責め、いい感じになりかけていた二人の関係は気まずくなる。

一方、全国大会進出を狙う「ベラーズ」の練習にはますます熱が入る。音楽に詳しいベッカは、新しい曲や斬新なアレンジにトライすることを提案するが、伝統に固執するオーブリーは聞く耳を持たない。地区大会で他大学のグループ「フットノーツ」が会場を沸かせるのを見たベッカは、「ベラーズ」のパフォーマンスが観客を退屈させていると見て取り、咄嗟のアドリブで曲調を変える。しかしベッカの努力も空しくグループは第3位となり、決勝進出の機会を失うのだった…

プロダクション・ノート
ほぼ無名の若手スターが大活躍
アカペラ・グループが軸となるコメディ映画なのだから、キャスティングの絶対条件は「コメディの才能と歌唱力」だ。ダンスに関しては、プロのダンサーほどの技量は必要ではなく、振り付けを学ぶ能力が重視された。そのため主役アナ・ケンドリックやレベル・ウィルソン、ブリタニー・スノウ以外はほぼ無名の若手が起用された。
ジェシー役に若き日のジョン・キューザックを彷彿させる俳優を捜していたプロデューサー陣の前に現れたのは、スカイラー・アスティン。ブロードウェイ・ミュージカル『春の目覚め』で注目された彼の気さくな雰囲気に多くの人々が好感を持つのは間違いない。ジェシーと対照的なバンパーを演じたのは、コメディ界の新星アダム・ディヴァイン。彼がクリエイター兼主演を務める『WORKAHOLICS』を見たバンクスの大抜擢で、出演オファーを受けた当初「歌えない」と渋っていたのに、オーディションで抜群の歌唱力を披露して製作陣の度肝を抜いたあたりもバンパーっぽい!?

「ベラーズ」に仲間入りする若手女優も個性派揃いだ。シンシア役で女優デビューを飾ったのは、シンガーソングライターのエスター・ディーン。リアーナやケイティ・ペリーに楽曲を提供していた彼女を強く推したのは「本格的なミュージシャンをどうしても起用したかった」ムーア監督で、ディーン本人も演技開眼したのは間違いない。普段はささやき声なのに実はビートボクサーの達人とわかるリリー役を怪演したハナ・マエ・リーもこれが映画デビュー。モデルからスタンダップ・コメディアンに転身した変わり種の彼女は菊地凛子に激似だが、キモいのか可愛いのか判然としないミステリアスさが印象的だ。また過剰なセックスアピールで笑いを取るステイシー役のアレクシス・ナップは、未婚のままライアン・フィリップの娘を出産した一件でメディアの注目を浴びたが、セクシー美女なだけでなく実は歌も踊りもコメディ演技も達者と本作で証明してみせた。

アカペラ・ブートキャンプ
歌手のミスをカバーするピアノやギター、ドラムといった要素がないアカペラだからパフォーマーが音を外すと最悪。ムーア監督は、撮影前4週間をアカペラ・ブートキャンプに当てた。個人差がある歌唱力やダンス能力を一定レベルまで引き上げ、グループとして完璧なハーモニーが生まれるようにするのが目的とした。また各人の声域に合わせてアレンジされた歌を完璧に歌いこなせるようになり、なおかつダンスの振り付けも完璧にマスターしなくてはならない。というわけで製作陣は、アカペラ・ブートキャンプを敢行!それは1日10時間どっぷり歌と踊り浸けになることを意味していた。午前中、「ベラーズ」と「トレブルメーカーズ」のメンバーはそれぞれのレパートリーから1曲を与えられ、各人がボイスコーチやダンス教師について各自のパートと振り付けを特訓。昼食後はまた別の曲を同様に特訓ということを続け、最終仕上げは撮影スタッフ全員の前でのリハーサル。これによって役者たちは大勢の観客を前にするパフォーマンスシーンにも緊張しなくなった。

アカペラ界のゴッドファーザーが音楽チームに参加
アカペラは編曲が勝負!誰もが知る楽曲もハーモニーやリズムを変えるとまったく別物に聞こえる場合もあるし、歌詞がない間奏部分を埋めるボイス・パーカッションやビートボックスの入れ方も重要となる。というわけで製作陣が頼ったのは、原作にも登場するエド・ボイヤーとディーク・シャロンを音楽監督に迎え入れた。2001年に大学生だったボイヤーが自身のアカペラ・グループのCD製作のプロデュースをシャロンに依頼して以来のチームは、『glee/踊る♪合唱部!?』やアカペラ・オーディション番組『ザ・シング・オフ』で編曲を担当。しかし“アカペラ界のゴッドファーザー”と呼ばれている二人にとっても本作の音楽を担当するのはチャレンジだった。
「通常の編曲だと歌手やグループの声域に合わせ、より良く聞こえるように変えるだけ。でも映画の場合はストーリーラインに合った選曲とシーンに応じて目立たせるべき役者のことまで考えなくてはならなかった」とボイヤーは言う。二人は役者たちに歌の特訓とレコーディングをするだけでなく、編集チームにも協力。作業段階でシーンの長さが変わるのに応じて音楽のミキシングを変化させたり、使用する曲自体を変えたりと柔軟に対応しながら作品を完成に導いた。
また原作にも登場するヴァージニア大学の男性グループHULLABAHOOSをはじめ、チュ―レン大学のGREEN ENVYとフロリダ州立大学のALL-NIGHT YAHTZEEが撮影にエキストラとして参加。オーセンティックでパワフルなアカペラを披露している。

クールだけどリアルな振り付け
YouTubeで大学アカペラ選手権の映像をチェックすればわかるが、曲のアレンジだけでなく振り付けも非常に凝っている。ストーリーをより引き立てる振り付けを求めた製作陣と監督が声をかけたのは、アコモン“AJ”ジョーンズ。マドンナやジャスティン・ティンバーレイク、ジャスティン・ビーバーといった人気ミュージシャンのダンスを振り付けるAJのダンス・スタイルは、ヒップホップが基本。アカペラ・グループの振り付けはチャレンジだったが、彼とアシスタントのキンドラ・リーヴィーは「ちょっと古くさいダンスを最新風にする」をコンセプトに、クールではあるが大学のアカペラ・グループらしいリアルな振り付けを考案した。AJが特に気をつけたのはスタイルで、劇中で使われるニッキー・ミナージュやフロ・リダ、マイリー・サイラスといった最新の音楽にマッチしたスムーズな動きにこだわった。

ざっくり言うとアメリカ版「ラブライブ」+ダメな先輩を乗り越えるシークエンスは「響けユーフォニアム」。えりち的ポジションのゲロ吐き女のキャラがたっていましたね。

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真木よう子「問題があるレストラン」の起源が見られてよかったです。

p09




アナのミュージック・ビデオは2億PV。F5アタッカーのPSYさんもびっくり。
こういう映画を何年も放置する日本の興行界って。



アカペラ、カンザス。



マドンナとかパット・ベネターも懐かしかったです。

韓国人の扱いがかなり酷かった。謎の東洋人ハナ・メイ・リーもコリアン。
オナクラマラって何ですの?



満足度(5点満点)
☆☆☆☆

ということで、「ピッチパーフェクト2」は10日ほど前に全米公開済。本邦では今秋公開されるそうです。上級生2名が抜けたシーンが本作のエンディングだったのでその続き。



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マーティン・ソルヴェグ サントラ イェーセイヤー バーデン・ベラーズ ジ・アウトフィット ソッカペラズ トレブルメーカーズ フットノーツ ハイ・ハイズ アナ・ケンドリック フラバフーズ

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(1)映画 
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コメント
この映画は今日の浦和戦が描くピッチみたいなものかな(白目
雨で地面がヤバイデース(棒
bobさんが面白いと言うなら行かねばならないこの映画。
Posted by 五月雨祭 at 2015年05月30日 12:42
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