2015年05月05日

【映画評】女神は二度微笑む

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Kahaani (2012) (Hindi Movie / Bollywood Film / Indian Cinema DVD)
Kahaani (2012) (Hindi Movie / Bollywood Film / Indian Cinema DVD)

「女神は二度微笑む」と聞いても何かよく分かりませんが、映画ファンなら「Kahaani」と聞けば、あゝと気が付くはず。

映画「女神は二度微笑む」公式サイト


イントロダクション
 インド映画と聞けば、誰もが勧善懲悪や悲恋をモチーフにした濃厚なストーリー、過剰なまでにゴージャスな衣装をまとった男女の歌とダンスを連想するが、近年はそのイメージが劇的に変わりつつある。『きっと、うまくいく』『マダム・イン・ニューヨーク』『めぐり逢わせのお弁当』といった“歌わない、踊らない”新世代のインド映画が相次いで大ヒットを記録。文化の違いを超えた普遍的な驚きや感動を呼び起こすこれらの作品が、幅広い世代の日本人の琴線に触れ、インド映画の並外れたクオリティの高さとバリエーションの多彩さへの関心が高まっているのだ。

 そんなインド映画の新たなブームが到来しつつある今、満を持してお目見えする『女神は二度微笑む』は、同国のアカデミー賞と呼ばれるインド・フィルムフェア賞で監督賞、主演女優賞など5部門を独占した必見の話題作。混沌とした熱気が渦巻く巨大都市コルカタ(旧名:カルカッタ)を舞台に、失踪した夫捜しのために単身この街を訪れたヒロインの想像を絶する過酷な運命が描かれていく。謎が謎を呼び、意外な事実が次々と浮かび上がってくる予測不可能な展開にぐいぐい引き込まれ、その果てに炸裂する衝撃的などんでん返しに息をのまずにいられない。アメリカを抑えて世界一の年間製作本数を誇る映画超大国インドが、グローバル・マーケットに向けて威風堂々と放った本格派サスペンス・エンターテインメントである。

 派手なデコレーションはおろか、歌や踊りもまったく盛り込まれていない『女神は二度微笑む』の圧倒的な面白さは、至るところに緻密な伏線が張り巡らされ、その裏に壮大なトリックが仕組まれたミステリー仕立てのストーリーの妙にある。最愛の夫が跡形もなく消失してしまい、コルカタの街を駆けずり回るヴィディヤの捜索劇は、情報機関や謎の殺し屋が絡んできて二転三転。さらにはオープニング・シーンで描かれる無差別テロとの関連性が発覚し、国家的な大事件へとスケールアップしていくのだ。

 猥雑なまでにエネルギッシュなコルカタの街並みを捉えた映像はこのうえなくシャープに洗練され、怒濤のクライマックスでは民族色豊かな宗教行事が繰り広げられる秋祭り“ドゥルガー・プージャー”をバックに撮影を実施。そこでは決死の捜索に身を投じたヒロインの最後の試練とともに、信じがたい驚きと哀しみに満ちたミステリーの真実が解き明かされ、あらゆる観客の胸を締めつけてやまない。まさしくこれまでのインド映画の枠を超えたスリルとサプライズ、そして痛切なエモーションが凝縮された本作は、すでに『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のニールス・アルデン・オプレヴ監督の手によるハリウッド・リメイクが決定している。

 また腕っぷしが頼りのマッチョなヒーローではなく、美しく知的で意志の強いヒロインが大活躍する“女性映画”としても見応え十分。度重なる妨害に遭い、命を脅かされる危機に見舞われようとも絶対に屈しない主人公ヴィディヤを演じるのは、数多くの受賞歴があるボリウッドのトップ女優ヴィディヤー・バーラン。2013年のカンヌ国際映画祭ではコンペティション部門の審査員を務めた才女が、眩い美貌と情感豊かな演技で波瀾万丈のドラマを牽引していく。加えて、ストーリーテラーとして卓越した手腕を発揮したスジョイ・ゴーシュは、東野圭吾原作、福山雅治主演の傑作ミステリー『容疑者Xの献身』のボリウッド・リメイクを手がける予定の気鋭監督である。

 ちなみに『女神は二度微笑む』という題名にある“女神”とは、“ドゥルガー・プージャー”の祭りで祝われるヒンドゥー教の戦いの女神ドゥルガーのことを指す。ドゥルガーは優雅な容姿と激烈な気性を兼ね備えた女神と伝えられ、その極端な二面性が本作のミステリーのベースになっている。観客として謎解きに挑むあなたは、きっとクライマックスでスクリーンに舞い降りる“女神”にド肝を抜かれ、この世ならぬ神々しさの虜になるに違いない。
ストーリー
 2年前、毒ガスによる地下鉄無差別テロ事件で多くの犠牲者が出たコルカタの国際空港に、美しき妊婦ヴィディヤが降り立った。はるばるロンドンからやってきた彼女の目的は、一ヵ月前に行方不明になった夫のアルナブを捜すこと。しかし宿泊先にも勤務先にもアルナブがいたことを証明する記録は一切なく、ヴィディヤは途方に暮れてしまう。やがてアルナブに瓜ふたつの風貌を持つミラン・ダムジという危険人物の存在が浮上。それを知った国家情報局のエージェントが捜索に介入し、ヴィディヤへの協力者が何者かに殺害される緊迫の事態に発展していく。

 はたしてアルナブはミランと同一人物なのか、それとも人違いで何らかの陰謀に巻き込まれたのか。少々頼りなくも誠実な警察官ラナの協力を得て、なおも夫捜しに執念を燃やすヴィディヤは、2年前の無差別テロと結びつく驚愕の真相に迫っていくのだった……。




ドゥルガー - Wikipedia

ドゥルガー(दुर्गा durgā)は、ヒンドゥー教の女神。その名は「近づき難い者」を意味する。外見は優美で美しいが、実際は恐るべき戦いの女神である。10本あるいは18本の腕にそれぞれ神授の武器を持つ。神々の要請によって魔族と戦った。シヴァ神の神妃とされ、パールヴァティーと同一視された。
神話によると、アスラの王マヒシャースラがアスラ族の軍勢を率いて天界を攻め、天界に住んでいた神々を追放してしまった。破れた神々はシヴァとヴィシュヌに助けを求め、それを聞いたシヴァとヴィシュヌは怒り、光を発した。他の神々も光を発し、たぐいまれなき光が一つに集まり女神チャンディー(ドゥルガー)が生まれた。チャンディーは魔神討伐のため神々から以下のものを授かった。

踊らないインド映画にぞっこんの当ブログでして、2012年のアジアフォーカスで見逃し前評判上々の本作に期待値ハードル上げて臨みましたが、正直がっかりです。インド映画ってこの程度で評価されるんですか?あとよく分かんなかったのが、中途半端な位置でのインターミッション。

作品としては別に悪くないのですが、そういう諸事情を勘案するに期待倒れの感は否めず。

満足度(5点満点)
☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 | インド
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