2014年11月26日

【映画評】6才のボクが、大人になるまで。

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Boyhood: Twelve Years on Film
Boyhood: Twelve Years on Film

これは凄いけれど、バッドエンド版(例えばジョン・モロー遺作みたいな)作ったら観客はみな鬱病になりそうな諸刃の剣。

映画『6才のボクが、大人になるまで。』 大ヒット上映中_compressed


2014年2月、第64回ベルリン国際映画祭で上映された1本の映画が世界を驚かせた。監督は、『恋人までの距離(ディスタンス)』から始まるビフォア・シリーズで知られるリチャード・リンクレイター。同映画祭で彼に二度目の監督賞(銀熊賞)をもたらした『6才のボクが、大人になるまで。』は、6才の少年とその家族の変遷の物語を、同じ主要キャストで12年間に渡り撮り続けた画期的なドラマ。これまでどんな映画作家も試みたことのない斬新な製作スタイルと、歳月の力を借りながら少年の成長の過程を画面に焼き付けていくみずみずしい作風により、「21世紀に公開された作品の中でも並外れた傑作の1本」(NYタイムズ)と評された、映画史に残るマスターピースだ。米映画評集計サイトのRotten Tomatoesでは驚異の高評価100%を記録、早くもアカデミー賞最有力の声が上がっている。




契約なしで12年間同じ役者で演じ続けさせた狂気の作品。

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12年経っても変わらないのがイーサン・ホーク(44)、大きく変わったのがパトリシア・アークエット(46)。
12年のタイムなので恐らく演技ではないと思います。なんかもうエンディングのセリフは映画の中の人が発しているのか、パーソナルなパトリシアが発しているのか見ている方もよく分からない凄まじさ。
これはオスカー主演(助演?)女優賞差上げるべき。

あとは、時代の変遷や主人公の成長を小道具で示すので面白い。(ドラゴンボールZや各ゲーム機、ipod)

監督が語る『6才のボクが、大人になるまで。』 | チケットぴあ[映画 洋画]

リチャード・リンクレイター監督の最新作『6才のボクが、大人になるまで。』が日本でも大ヒットを記録している。主要キャストを12年間に渡って撮り続けて1本の映画をつくるという本企画は、監督曰く「極めて非現実的」な挑戦だった。しかし、彼は何の約束もせず、何の保険もかけずにこのプロジェクトに着手した。

映画は、母と一緒にヒューストンからテキサスへと移り住んできた6才の少年メイソンを主人公に、彼と家族、そして周囲の人々の物語を描いた作品。メイソンと周囲の人々が年齢を重ねて成長していく様を、実際に12年間かけて撮影するという前代未聞のプロジェクトだ。

「この企画のすべてが、技術的に不可能か、あるいは運がよくても極めて、極めて非現実的だった」というリンクレイターは諦めることなく準備を進め、IFCフィルムズから長期に渡る資金をとりつけ、俳優たちを集めた。米映画界には12年に渡る契約は存在しないため、契約書は存在せず、監督は俳優たちと“約束”だけを交わして撮影に入り、1年のうちに数日だけキャストとスタッフを集めて撮影し、また来年を待った。「あれは8年くらい経った頃かな。しばらくそこまでの分を通して見てなかった。8年目の撮影分を編集してて、映画の最初のショットまでちょっと戻ってみたんだ。編集者といっしょに爆笑したよ! それで、うまく行ってることがわかった」。ちなみに俳優が途中で降板したり、亡くなってしまった時の“保険”は一切なかったという。「エスケープ・プランなんてないさ! そういう心配は、ぼんやりと心をよぎったりもしたが、まともに気をもんだことはない。みんなこの映画に対する信念を持ってた。どうしてだかわからない。この映画の核になるアイデアを全員が信じてたんだと思う」。

少し撮っては別れ、次の年にまた集まり……12年の間に監督は他の作品を10本監督し、主人公の父親役のイーサン・ホークは20本の、母親役のパトリシア・アークエットは8本の映画に出演した。そしてついに撮影が終わり、映画が完成した。「ほろ苦い感じだ。寂しいと感じたことはない。この映画には充分すぎるほど満足してるからね。だがみんな、映画の製作が終わることははっきり意識してた。最後のショットは映画自体のラストショットだった。「ああ、終わってしまった。いやそうじゃない。やっと世に出たんだ」新しい段階に達したということだ」。

完成した映画は瞬く間に高評価を集め、ベルリン映画祭で銀熊賞(監督賞)を獲得。アカデミーでも有力候補という声があがっている。しかし、監督は“壮大な映画”を撮ったという気はまったくないようだ。「私の作る映画はとても個人的なものだ。それに、この映画はみんなの記憶をまとめたものなんだ。私の子供時代、エラーの子供時代、イーサンの子供時代、パトリシアの……どの記憶が何割くらいなのかはっきり言うのは難しいけどね」。この映画にはきっと“あなた”の子供時代とも重なる感情や出来事がたくさん描かれているはずだ。

ビートルズ「ブラックアルバム」は狙っているのでしょうけど、マニアでは有名なブートレッグ(レット・イット・ビー、セッション)です。

映画終了まで約3時間、見ている方の大半は12年前からの自分の人生に重ねたのでは?
しかし邦題はどうにかならんのか?

満足度(5点満点)
☆☆☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(3)映画 
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コメント
>邦題
『少年時代』ってタイトルで陽水さん流れたら死ぬです。即死。
Posted by 名無しのキンペーちゃん☆ at 2014年11月26日 17:54
俺ぐらいの歳になると、12年前って言われてもたいして今とかわらん感じw

しかし、凄まじい映画だな。話の内容はどうってことないけど、リアルな
時間の経過に圧倒されるわ。もうこんな映画撮れないだろうな。
Posted by 名無しのキンペーちゃん☆ at 2014年11月26日 20:18
「子供の成長を長期間追う」というコンセプトだけはテレビドラマの「北の国から」に似てる。
Posted by 6号 at 2014年11月28日 18:37
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