2014年09月01日

【映画評】わたしは生きていける

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総じてよかったですが、従姉妹とセックスするのは止めて下さい。菅直人じゃないのですよ。

『わたしは生きていける』_compressed


この物語は現実的な恐ろしい戦時下を背景にしているが、それは十代の主人公の目を通して描かれたものであり、実際に何が起こっているのかは謎に包まれている。マクドナルド監督はそうした小説の曖昧な部分をそのままにする方法を選んだ。「観客の何人かは“敵は誰なの? 何が起こっているの?”と聞いてくるだろうね。しかし、できる限り曖昧さを残す決断は正しかったと信じている。それはある意味、すべてが比喩だからだ。これは政治映画でも世界情勢を描いた映画でもない。恋に落ちる不幸な十代の少女の物語なんだ」

 本作の企画開発が始まったのは2007年に『つぐない』が公開された頃だったが、その当初からデイジー役の女優としてシアーシャ・ローナンの名前が挙がっていた。当時のローナンは若すぎたが、幸運にも本作が撮影に入る準備が整った頃、彼女はこの役にふさわしい年齢になっていた。

 当初、マクドナルド監督は公開オーディションによって、デイジーを演じられる無名の少女を発掘しようとした。しかしこの役に必要な鋭さを感じさせる少女を見つけることができず、断念せざるをえなかった。「開いた口がふさがらないほどすばらしかったよ」。ローナンが本読みに来たときのことを、監督はそう振り返る。「本当に驚いた。アイルランドからやってきたシアーシャは、僕たちが送った本読みの部分を受け取っていなかったんだ。だから到着してから10分しか準備時間がなかった。それなのに彼女が読み始めた途端、僕は圧倒されてしまったんだ」

 「『ハンナ』『ビザンチウム』『ザ・ホスト 美しき侵略者』に出演した後、普通の十代を演じたくてたまらなかったの。だから、ちょうどいいタイミングだった」。そう語るローナンが、デイジーのキャラクターを説明する。「デイジーは自然な反逆児ではなくて、そうなるように追い込まれたところがあるの。そうするしか自分を表現できず、鎖につながれているように感じることが多いのだと思うわ。父親に見捨てられたから、彼女は壁を築いた。それが真っ黒なアイライナーや、顔のピアス、髪を染める行為に表れているのよ」。ローナンの顔にピアスの穴を開けないように、彼女のピアスはすべて偽物を使い、メイクアップ係が毎日施した。

 ローナンの役作りを助けたのが、デイジーの日記だった。撮影の開始前、美術班がこのキャラクターのために作った日記を彼女に渡した。それは歌詞や詩、ローナン自身が選んだ写真など、十代の少女の心を反映したものだった。「たとえ役を演じないスタッフがまとめたものであったとしても、この一冊に反抗心や罪悪感や怒りがこめられていたから、本当に助けになったわ」とローナンは言う。「そこに私が自分で感じたこと、今感じている苛立ちやネガティブな気持ちを書き足していったの」

 ローナンとマクドナルド監督は、愛と生存の旅路をめぐるデイジーの感情の変化について、完全に同じ意見に達した。「ケヴィンとの仕事はすばらしいわ」とローナンは語る。「限りない忍耐力がある。皆と一緒にいて、私たちは毎日大いに楽しみ、いつも笑い合っていた。ケヴィンが私たちに合わせてくれたのだと思う。彼が多くのドキュメンタリーを作っていて、それを撮影方法に組み入れているところも好きだわ。それに監督がキャラクターに感情を注ぎ込む姿がすばらしい。彼は私たちが感じるべき感情を本当に理解しているの。私のお気に入りの監督のひとりだわ」

 ローゾフの小説が最初に出版された時と同様、デイジーが従兄と恋に落ちる設定は物議を醸すかもしれない。しかしローナンはそういうふうに見ていないし、製作陣もふたりの関係を描くことに躊躇はなかった。「ふたりがいとこ同士だということで、よりロマンティックになると思うわ」とローナンは語る。「そのことがふたりのつながりをいっそう強めるの。デイジーも最初は抵抗する。因習に反することだから。でも“デイジーはサマーキャンプに行って彼に会いました”なんて話より、ずっと面白いと思う。ふたりにとってはすべてが不利だけど、エディはデイジーのことを深く理解し、彼女をまっすぐ見ている。デイジーはそんな彼に惹かれていくの」

あらすじ

ニューヨークから単身イギリスにやってきたデイジー(シアーシャ・ローナン)。生まれたときに母親を亡くした彼女は、見知らぬ3人の従兄弟とひと夏を過ごすため、この異国の地を訪れた。複雑な家庭環境で育ったせいで、極端に自意識が強く反抗的なデイジーだったが、人なつこく純真な従兄弟たちと過ごす生活は、そんな彼女の頑なな心を少しずつ溶かしていく。そして、彼女は長兄エディ(ジョージ・マッケイ)との間で初めての恋に落ちた…。
 そんなある日、ロンドンでテロリストによる核爆発が発生。第三次世界大戦勃発に伴う戒厳令がしかれるなか、デイジーたちは突如現れた軍に拘束され、離ればなれにされてしまう。軍の管理下に連れて来られたデイジーは、エディとの再会の約束を胸に秘め施設を脱出。いくつもの極限の試練が待ち受ける荒廃した世界に身を投じていくのだった。




親に棄てられ心が壊れた少女の復活劇。
スコットランドと思われる田園風景が延々と続き、死の灰に覆われた納屋での蠱惑的菅直人プレーで微睡んだその刹那、牧歌テイストからフルメタルテイストへ切り替わるいきなりの後半戦突入は目が覚めました。
グロ描写は比較的少ないですが描写にリアリティあり。子供目線での質が高い反戦映画なのでは。

ポスト・ジェニファー・ローレンスっぽいシアーシャ・ローナン嬢の次回作は「20年誘拐された女性」を演じるそうです。本作も「ウィンターズ・ボーン」とガチ被り風味でして、自撮りエロ写真には気をつけて下さいね。
iCloudハッキング被害に遭ったと称される「ジェニファー・ローレンス」「ケイト・アプトン」「メアリー・エリザベス・ウィンステッド」ほか大量自撮りヌード写真はコラ?

満足度(5点満点)
☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(3)映画 
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コメント
 クリスチャンだと、いとこ婚はタブーだもんなー。生物学的には、そー問題でも無いみたいだけれど・・・それ言い出すと、兄妹婚の奇形発生率は、初産で高齢出産する非血族結婚より低いって言う統計データがあるけれど、兄妹婚の絶対数が足らない(分母が小さすぎる)からアテにはならないとも・・・。ただ体に障害を持って生まれた場合、役所の障害者手帳の台帳に、「その障害となった理由」が書かれるんだけれど、先天的な、例えば聾唖、視覚障害だと特に理由なんか無い場合がほとんどで、たまたま、いとこ婚だったがために「いとこ婚による」てのは書かれるのは事実
Posted by 漁師 at 2014年09月01日 18:28
そういえば、「マクロス」でのミンメイとカイフンは中国人的にはどーだったんだろ?
Posted by 名無しのキンペーちゃん☆ at 2014年09月02日 00:37
第三次世界大戦。懐かしい響きだ。そういや「FUTURE WAR 198X年」なんて映画もありましたな。生頼範義のイメージボードだけが名作だったヤツ。
いまだに起きない第三次世界大戦ですが、なぜ今まで起こらなかったのか考察してる人は少ない。
Posted by 6号 at 2014年09月06日 09:51
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