2014年08月25日

【映画評】めぐり逢わせのお弁当

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40歳独身オンナ、ワケあって年下のインド人オトコと付き合ってます。
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最近話題の、歌わない踊らないインド映画。

映画『めぐり逢わせのお弁当』公式サイト


インド・ムンバイでは、お昼どきともなると、ダッバーワーラー(弁当配達人)がオフィス街で慌ただしくお弁当を配って歩く。その中のひとつ、主婦イラが夫の愛情を取り戻すために腕を振るった4段重ねのお弁当が、なぜか、早期退職を控えた男やもめのサージャンの元に届けられた。神様の悪戯か、天の啓示か。偶然の誤配送がめぐり逢わせた女と男。イラは空っぽのお弁当箱に歓び、サージャンは手料理の味に驚きを覚える。だが夫の反応はいつもと同じ。不審に思ったイラは、翌日のお弁当に手紙を忍ばせる・・・。
「料理は愛を深め」、「人は間違った電車でも正しい場所に着く」

お弁当が男女の偶然のめぐり逢いを取り持つ。この秀逸なアイデアに加え、電子メールやSNSが浸透した現代において手紙の持つ奥ゆかしさや手元に届くまでの時間差の効果が、イラとサージャンの距離を少しずつ縮め、ふたりのときめきを鮮やかに交差させてゆく。まだ見ぬ相手に綴られる人生の本質を言い得た慈愛溢れる言葉の数々は、観る者の心にもじんわりと染み入り、やがて共感と感動を呼ぶことだろう。
さらにラストでは列車に揺られるダッバーワーラーの歌と手拍子の躍動感が我々に希望をつなぐ。"人はたとえ間違った電車に乗ったとしても、正しい場所へと導かれる"———、そして昨日とは確かに違う自分を信じて、明日への一歩を踏み出せるはずだと。

カンヌ国際映画祭での絶賛を皮切りに国際的な成功を収めた異例のインド映画
小規模な予算で作られた本作は、インド映画の歴史を書き換えたと評されている。その理由は最大の興行収入を打ち立てたからだ。従来の市場ではないフランス、ドイツ、スイス、イタリア、オランダで異例の大ヒットを記録*1。これは、日本を含むアジア圏で成功を収めた『きっと、うまくいく』*2 に勝るとも劣らない現象と言える。これまでの"ボリウッド映画"のイメージを覆し、洗練された語り口がカンヌ映画祭で絶賛され、のちにヨーロッパ各国へと広がっていった。その感動の風がようやく日本にも吹き、誰しもの心の中をさわやかに駆け抜けるだろう。

*1 4億7千460万ルピー(上記欧州5カ国の総額)
*2 3億5千万ルピー(香港、韓国、中国、日本の総額)
1ルピー=1.71円(2014.5.1付<三菱東京UFJ銀行>)
出典:「Business Standard」HP(4.10付より抜粋)




個人的にはラジカルな「ボリウッド」よりこっちの方が断然好きですね。
余韻を持たすラストシーンについて、60前のリーマン定年退職独身おっさんと、推定アラサーちゃん子持ち既婚女性、30歳近い年の差婚は日本では加藤茶クラスでないと無理ですが、インドはどうなんだろう?

文盲に近い配達員たちが一日20万食をデリバリーする件の弁当システム、ISO取得済だそうです。
イギリス植民地時代より始まったそうで、すでに100年の実績があるとか。
(職場で供されるイギリス料理が不味いので自宅より愛妻弁当を届け始めた由)
エラー率わずか0.00000625%、驚異のインド式昼食配達システム「ダッバーワーラー」 - DNA

通勤電車で一等車両定期とか、オフィスの昼飯時間が13時というのも驚いた。
映画の肝の部分について、面接場所に到着して、遠くから相手をまったり眺めるってのはある意味鬼畜ですね。
という訳で、淡々としたオトナ系ロマンスが好きな人は満足指数高いかも。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(1)映画 | インド
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コメント
前に「世界の車窓から」で、インドの何段重ねかの金属製の容器に入った丸い弁当箱を見た事があって、カレー様の汁物の煮込み料理なんかが入っていて驚いた事がありましたが、あれを毎日家庭から職場までデリバリーしてるシステムがあるのは知らなかった。
「ダッバーワーラー」とは凄いシステムですね。こうなるとどこの人だから勤勉とかキチンとしてるだとか安易に言えなくなってくる。
しかしインドはひとたび晩婚化という事があれば全てがおかしくなってきますね。
Posted by 6号 at 2014年08月25日 14:47
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