2012年05月20日

【映画評】危険なメソッド

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Dangerous Method [DVD]
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デンジャラス・メソッド=危険な治療法

萌え萌えのクローネンバーグ御大最新作です。
フロイト、ユングを配した実話ベースのシリアスものですが、相変わらずのキチガイっぷりにクローネンバーグマニア絶叫。一般人にはオススメしません。



映画『危険なメ・ッド A Dangerous Method』公式サイト


前作の「イースタン・プロミス」が視覚的にも脚本的にも非常に分り易い映画だったので今回も更なるコモディティ化に期待しましたが、キチガイ路線にみごと原点回帰。
ところが只のキチガイではなく、フロイト(ヴィゴ・モーテンセン)とユング(マイケル・ファスベンダー〜セックス中毒映画シェイムやエイリアン前日譚プロメテウスの人)を繋ぐユダヤ系ロシア人のザビーナ・シュピールラインさんという歴史の闇に閉ざされていた非常に優秀な統失色情狂キチガイさんとの泥沼の不倫(精神病医と統失患者)を主軸に描いた格調高きキチガイ映画。
(精神病治療版ブラック・スワンですね。重複配役いるし)

ザビーナ・シュピールライン - Wikipedia

ザビーナ・シュピールライン(Sabina Spielrein 1885年 - 1942年)はロシア出身の精神分析家。

ロストフの裕福なユダヤ人の家庭に生まれ育つ。父ニコライは商人、母エヴァは当時のロシアでは珍しい大学卒(歯学部)の女性だった。
ロストフの女子ギムナジウムを経て、1904年8月17日、統合失調症患者としてチューリヒ近郊のブルクヘルツリ精神病院に入院し、ここで医師として働いていたユングと知り合い、恋に落ちる。1905年6月1日に退院した後、チューリヒ大学医学部に入学し、1911年、統合失調症に関する論文を提出して医学部を卒業するまでユングとの関係は続いた。ユングは彼女が学位論文を書くにあたっての助言者だったが、同時に彼自身もザビーナから学問的に多大な影響を受けた。しかし既婚者のユングが、彼の子を産みたいというザビーナの希望を撥ねつけたため、二人の愛は破局を迎えた。同じ1911年、ウィーンでフロイトと会い、ウィーン精神分析学協会に参加。ユングとの恋愛体験に基づく論文『生成の原因としての破壊』は、フロイトのタナトス概念に影響を与えた。
1912年、ロシア系ユダヤ人医師パヴェル・ナウモーヴィチ・シェフテルと結婚し、ベルリンで暮らした。第一次世界大戦中はスイスで暮らしたが、1923年、ソヴィエト政権下のロシアに帰国し、ロシア精神分析学協会に参加すると共に、モスクワにて幼稚園を設立。なるべく早い時期から子供たちを自由人として育てることを旨とした幼稚園であり、スターリンが息子ヴァシリーを偽名で入園させたこともあったが、3年後、幼児たちへの性的虐待という冤罪をかけられたため、閉鎖を余儀なくされた。背後には、精神分析学に対するスターリン政権からの弾圧があった。
1936年、大粛清の最中に夫が病死し、ザビーナと娘たちは1942年に故郷ロストフにて、侵攻したナチの手で殺害された。
2002年、『私の名はザビーナ・シュピールライン』と題するドキュメンタリーがスウェーデンの映画監督エリザベト・マルトンによって作られ、2005年には米国でも封切られた。近年、精神分析学に対する彼女の貢献に関して再評価が進みつつある。

ザビーナ・シュピールラインの悲劇 ユングとフロイト、スターリンとヒトラーのはざまで
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但し映画的には小難しいインナートリップ的な要素はなく、痴人の愛です。
シュピールライン嬢を演じるキーラ・ナイトレイ(パイレーツ・オブ・カビリアンのヒロイン)ですが、前半の狂いっぷりは放送禁止レベルですね。
さすが、演劇の起源であられるブリテンの役者さんは気合の入り方が違うなと。
(繰り返し演じる顎を突き出すポーズ〜コロッケのちあきなおみ〜は夢に出てきそうで怖いです)

下記貼付写真は、不倫相手のユングからケツをスパンキングされヌレヌレ大興奮している図。


キーラ・ナイトレイ、あまりに過激な性的シーンに降板を申し出るもクローネンバーグ監督の説得でウォッカの力で体当たり!

 駆け出しだった頃の精神分析医カール・ユングと、ユングの師であったジークムント・フロイト、そして統合失調症の患者サビーナ、3人の関係を描いた映画『ア・デンジャラス・メソッド(原題) / A Dangerous Method』で、サビーナ役を演じたキーラ・ナイトレイが、これまでにないほどの露骨な性的シーンに、当初役を降りることまで考えていたと語っている。

 ナイトレイは、映画『シルク』や『つぐない』でも、露出度の多いシーンやセックスシーンをこなしてきたが、テレグラフ紙(電子版)によれば、『ア・デンジャラス・メソッド(原題)』のデヴィッド・クローネンバーグ監督が、映画で彼女に演じさせようとしたシーンのあまりの過激さに、激しく動揺したという。

 映画の中で、サビーナはマゾヒスト的傾向からユングと性的な関係を持つようになり、脚本には、胸を露わにしながら、ユングにベッドに縛り付けられて叩かれるというシーンがあった。

 ナイトレイはテレグラフ紙に、「最初に脚本を読んだとき、とても気に入ってぜひやってみたい役だと思ったけれど、ああいったシーンは演じたくなかったから、クローネンバーグ監督に電話をして、役を断らなければならないと伝えたわ」と語っている。

 それを受けた監督は、ナイトレイに出演してもらうために、ストーリー上重要な意味を持つそれらの過激なシーンを削除してもいいとまで伝えたそう。

 「監督は、セクシーで露骨なシーンにするつもりはなく、彼女の感情を冷静にそして徹底的に表現するためのシーンにしたいと話してくれた。同じくそれらのシーンに違和感を抱いていた(ユング役の)マイケル・ファスベンダーとも相談して、意見の一致をはかったわ。出来る限りショッキングに、でも度を超えない程度に演じることにしたの」とナイトレイは、一度は辞退することを考えた役に、覚悟を決めて臨むに至った過程を明かしている。

 そして、ついには、ウォッカの力で身を奮い立たせ、難易度の高いシーンに挑んだのだそうだ。(鯨岡孝子)


いやいや。セックスシーンより統失描写シーンのほうがはるかに衝撃的。

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 | セクシャル
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