2012年02月28日

菅直人とマイクロマネジメント

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放射性廃棄物の憂鬱(祥伝社新書269)
放射性廃棄物の憂鬱(祥伝社新書269)

核爆発直後より菅直人の行動を括る言葉として語られていたのですが、阿比留さんの事故調抜粋エントリーで再掲されていたので、改めてその定義について確認してみるエントリー

マイクロマネジメント - Wikipedia

※置換ルール 上司→菅直人 管理者→菅直人 部下→官僚 社員→官僚 [要出典]→削除

マイクロマネジメントとは、総理である菅直人が官僚の業務に強い監督・干渉を行うことで、一般には否定的な意味で用いられる。マイクロマネジメントを行う菅直人は、業務のあらゆる手順を監督し、意志決定の一切を官僚に任せない。官僚の立場から見れば、菅直人がマイクロマネジメントを行っていると感じられることは多いが、菅直人がそのことを自覚することは稀であるとされる。極端な場合は、職場いじめや独善性など、病理的な現象としてとらえられる。

マイクロマネジメントは、細部にこだわりすぎる性格や、能力不足、不安などの内面的な問題の表れともとらえられる。菅直人の性格の問題が大きいがそれだけでなく、組織文化、納期や業績などの圧力、菅直人の地位の不安定さなど、外的要因にも依るところがある。深刻な場合は、強迫性障害と関係することもある。

また、指示・命令を与えることによって、菅直人自身が有能さや職務の重要さを示していると感じることもある。このような菅直人は、実際には職務に必要な能力や創造性を欠いているにも関わらず、自尊心を満たせる状況を自分で作り上げていると考えられる。

さらにマイクロマネジメントは、より頻度は少ないと思われるが、達成不可能な目標を定めたり、職場に居づらい雰囲気を作ることで、官僚を辞職に追い込むための戦略として使われることもある。しかし目標がどうであれ、マイクロマネジメントは恨みを残し、信頼関係を傷つけ、職場のチームワークに悪い影響を及ぼすものである。

このような菅直人は、往々にして本来の結果よりも枝葉末節にこだわり、必要な意志決定を遅らせ、目標を不明確にし、職場の風通しを悪くさせ、方向性を二転三転させ、成果を挙げることよりも監督権限を行使することを重要と感じている。

マイクロマネジメントを行う菅直人は、官僚が相談なしに決断を行うことを、たとえそれが官僚の権限の範囲内であったとしても、たいへん不快に感じる。深刻な場合には、官僚の自尊心や心身の健康に大変悪い影響を与える。

官僚が十分な自己評価を持てなくなり、能力の成長を難しくするので、そのような場合はすぐに転職するのが最良の選択肢かもしれない。

【具体例】
ある官邸中枢スタッフは、原発事故に関して菅首相が「全然俺のところに情報が来ないじゃないか」と苛立ちを表明する度に、関係省庁が大急ぎで説明資料を作成して説明に上がろうとするが、説明を開始してまもなく「事務的な長い説明はもういい」と追い出されるパターンの繰り返しであったと述べている。

同原発が津波で電源を喪失したとの連絡を受けた官邸は昨年3月11日夜、まず電源車四十数台を手配したが、菅前首相は到着状況などを自ら管理し、秘書官が「警察にやらせますから」と述べても、取り合わなかった。バッテリーが必要と判明した際も、自ら携帯電話で担当者に連絡し、「必要なバッテリーの大きさは? 縦横何メートル?」と問うた。その場に同席した1人はヒアリングで「首相がそんな細かいことを聞くのは、国としてどうなのかとゾッとした」と証言したという。

異変が起こったのはそのあとです。菅さんが、舞い上がってしまった。私に厳しく言われてカッとなったようで、突然何事かわめきだしたんですよ。ヒステリックというものを通り越して、ちょっと尋常ではない感じでした。日本語でもフランス語でもないような言葉を、早口で延々わめいているんです。ショックでした。日本の総理大臣がこんなことになっているなんて思いもよらなかった。

民間事故調が指摘した菅官邸の原発事故対応について:国を憂い、われとわが身を甘やかすの記

(前略)

 結論として、官邸の初動対応についてはこう書かれています。(P119)

《今回の福島事故直後の官邸の初動対応は、危機の連続であった。制度的な想定を外れた展開の中で、専門知識・経験を欠いた少数の政治家が中心となり、次々と展開する危機に場当たり的な対応を続けた。決して洗練されていたとはいえない、むしろ、稚拙で泥縄的な危機管理であった。》

 さらに、最終章「福島第1原発事故の教訓—復元力をめざして」は、こうも記しています。(P393)

《官邸主導による過剰なほどの関与と介入は、マイクロマネジメントとの批判を浴びた。菅首相が、個別の事故管理(アクシデントマネジメント)にのめり込み、全体の危機管理(クライシスマネジメント)に十分注意を向けることがおろそかになったことは否めない。》

原子力安全委員会「未公表マニュアル」を超えた福島原発の「想定外」 1100年ぶりの巨大津波がもたらした災厄 | 歳川隆雄「ニュースの深層」 | 現代ビジネス+[講談社]

2011年03月18日(金) 歳川 隆雄

(前略)

菅首相は「マイクロマネージメント」

 今回は、1号機から3号機の各原子炉が地震を感知して、いずれも自動停止し、未臨界となった。原子炉はフルパワーからの停止だったため膨大な残留熱を発生、これを冷却する必要があった。通常は安全装置が働き、原子炉を冷却することになるのだが、そのための冷却水を送るためのポンプ類を駆動する外部電源が完全に喪失したうえ頼みの非常用ディーゼル発電機まで動かなくなってしまったのだ。

 このように原子炉、格納容器を冷却することができなくなり、ひたすら水をかけて冷却することに傾注したのである。約40年前に原発を設計・建設するに当たって、1100余年前の貞観地震時の10メートル超津波再来を想定しておくべきだったというのであろうか。「想定外」はあり得るのだ。

 それよりもここで指摘すべきは、首相官邸の危機管理体制である。そして何よりも菅直人首相が「マイクロマネジメント」タイプの国家指導者であることだ。震災翌日の早朝、自衛隊ヘリを駆って上空から福島原発を視察、そして15日早朝には東電本社に自ら乗り込んだ。

 要は、自分の目で確認し、耳で直接聞かないと納得しないのだ。国家指導者が歴史的(長期的)見通しに欠けると国家100年の大計を誤る。一人の人物が二つの能力を併せ持つのは難しい。そこで昔から棲み分けが行われる。さらに、良き指導者には良き参謀がいて先行きを冷徹に見通す---。さて、不眠不休で孤軍奮闘する枝野幸男官房長官の評価は概ね高いのだが、我が首相は如何なものか。

菅が徹底する「一番嫌われること」 誰が菅総理の首に鈴をつけるか【3】:PRESIDENT Online - プレジデント

2011年 8月24日

(前略)

菅グループのメンバーで、安全保障問題に強い長島昭久(衆議院議員)は、原発事故に関する日米協力の構築に深くかかわった。現場から見た菅のリーダーシップについて、感想を述べる。

「菅さん特有の役所不信を、役所側も感じるんでしょう。リーダーシップとフォロワーシップは表裏一体だが、役所側のフォロワーシップを喚起するリーダーシップがなかった。もう一つ、僭越ながらちょっとマイクロマネジメントになってしまった。原発問題で現場に任せればいいところまで自分で考え、全体を鳥瞰して指揮を執ることができなかった」

自民党の石破茂政調会長は首相としての資質に疑問を投げかけている。

「いろいろな首相を見てきたが、みんな総理として何をやりたいか、頭の整理をして首相になられている。菅さんは何をやりたくて首相になったのか、よくわからない。日本国憲法をきちんと読んだことがなく、安全保障や外交をまじめに考えたことが一度もないのは、予算委員会での答弁を聞けばわかる。文民統制の本質も理解していなかった」

自民党政権で厚生労働相として新型インフルエンザ問題で危機管理を担当した新党改革代表の舛添要一は、自身の経験を基に、手厳しく批判する。

「菅首相の問題点は、情報の隠匿と公務員を使えなかったこと、これに尽きる。情報が全部出ているという安心感があれば、不利な情報でも行動が起こせる。私は不利な情報であればあるほど流すことにした。だが、原発については情報を出していない。役人を使う場合、司令官が全部、責任を取るからと言えば、みんな生き生きとしてやる。周りが悪い、自分に責任がないと言うのは、トップとして一番嫌われる。菅首相はそれを徹底してやった。だから、実働部隊が動かない」

菅降ろし派の民主党の川内博史(衆議院議員)は「嘘つき」が問題と言う。

「今度の辞める、辞めないの問題も端的な例だが、昨年の参院選でも『消費税率10%。公約です。国民の信を問う』と言って惨敗したのに、責任を引き受けなかった。大震災でも原発事故の初動の段階で数々の細かな嘘をついている。一国のリーダーが嘘をつき始めると、周りの官僚組織全体がその嘘を正当化しなければならなくなり、おかしくなる」

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【関連エントリー】
東日本原発爆発汚染は菅直人の人災で混乱と拡大 独立検証委員会(民間事故調)が報告書をまとめる
「菅直人元首相は自分が知っている瑣末な事に拘り、日本語かどうかも聞き取れない言葉を延々と喚き散らし判断を下すのが常に2日遅れた」と政府高官


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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(9)政治 | 仕事
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コメント
マイクロマネジメントかぁ。。。
私の周りは菅ちゃんが嬉々としてやってた細かい仕事に本来関わるべき人が(ワザとなのか天然なのか)簡単にそれを放棄して他人事のようにしている人が多いですね。どこかで誰かがやってるだろう、的な。
そんなんで回るプロジェクトすげぇっておいら下請けは思ってます。
Posted by 名無しのどじょうさん at 2012年02月28日 20:58
「マスコミも官僚も、また新語を見つけたんですなぁ。
 今度はなに?マイクロマネジメント?それどういう意味?」
という感じ。
言いたいだけちゃうんか、と。

それより、菅直人がわめき散らした、
フランス語でも日本語でもない言語って、一体なんだったのかちゃんと解明&報道して欲しいです。
Posted by んんー at 2012年02月29日 02:08
マイクロマネジメントって、組合専従者が社長をやってるようなもんですか?
Posted by 名無しのどじょうさん at 2012年02月29日 11:01
菅直人も鳩山由紀夫も国民の鏡でしかないんでは?
原発の耐震性の評価が甘く杜撰な管理してきたのは
東電だし、電力マネーで汚染されて事故時に安全安全
連呼して情報ひた隠しにしてきた政治家官僚マスゴミ
御用学者全員に責任があるのでは?
また菅直人が全部悪いってヒステリックに叩くだけ
叩いて満足して終了しちゃうの?
Posted by 名無しのどじょうさん at 2012年02月29日 11:36
Naoto Kan: “Japan Was Invaded by an Invisible Enemy”
February 28, 2012, 10:09 pm ET

http://www.pbs.org/wgbh/pages/frontline/health-science-technology/japans-nuclear-meltdown/naoto-kan-japan-was-invaded-by-an-invisible-enemy/
Posted by 名無しのどじょうさん at 2012年02月29日 14:33
>菅直人が全部悪いってヒステリックに叩くだけ
出た!論点ずらし!
誰もそんなこと言ってない
ただ、菅直人が問題だったのは事実
Posted by 名無しのどじょうさん at 2012年02月29日 18:48
周囲の無理解や誤解によって、本人の意図が正しく相手に通じないことによって激しく動揺し、歪んだ抵抗意識が無軌道に増幅して修正のつかぬまま成人し、総理大臣にまでなってしまったのかは不明だが、菅直人氏の対応が極端すぎることに、国民は不信感を抱いている。
評価されたことにのみを「公平だ」と肯定し、そうではない側面を無視する。
周囲の批判を恐れず、自分が一国のリーダーとして決断した様々な過程を、きちんと歴史の証言として残す責務がある。
自分の采配で集結させた何人もの優秀な参与、広報担当の内閣審議官(元TBS)がいて、今回の国家としての重大事態にあって、なぜ緻密に記録を残すことができなかったのか。
本来、克明に時系列の状況の変化の過程を記録として残してこそ、国家としての『検証』が可能である。
これを疎かにした『証言』に頼らざるを得ない『事実』を検証し、真実に迫るのは非常に困難だ。
Posted by 名無しの金魚の糞さん at 2012年03月01日 13:47
Former Japanese PM Naoto Kan on the Fukushima Disaster
A Changing View of Nuclear Power
By Naoto Kan March 8, 2012
http://www.foreignaffairs.com/features/letters-from/former-japanese-pm-naoto-kan-on-the-fukushima-disaster?page=show

幼い頃、父親にギリシア神話で有名な「プロメテウス」の話を聞かされた逸話を交えて語るのだが、朝日新聞に連載された「プロメテウスの罠」で描写された菅直人さんとは違い、原子力発電の抱える問題について、深刻な未解決な課題があることを知っていたことを堂々と綴る…。
海外での意見表明が目立つ。ぜひ、日本でも!

Posted by 名無しの金魚の糞さん at 2012年03月10日 14:46
菅直人氏が総理大臣として、本来は強権をもって命じるべきだったのに、その判断力と決断力の限界から避けてしまった、本来は全うすべきだった責任について、正面からの議論が深まることを期待している。

騒動に便乗するかたちで、けしからん奴だ変奏曲を何人で連弾しても意味がないと考える。

同じような狂騒が形を変えて永遠に続いても、あの当時、小さな子供だった人が、やがてこの一連の事象を再認識しようとする将来、このような次元に終始した大人の身勝手を、どう判断するだろうか。
Posted by 名もなき地球の市民 at 2014年09月13日 15:25
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