2005年07月17日

コブラの眼&中世の黒死病はペストではなかったという学説の話

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


 

最近出張が多いので、移動時間を利用して乱読中でして、
面白かったのが「コブラの眼」

フィクションなんですが、部分部分が事実で



死ぬほど怖いっす。

特に何が嫌だったかというと
レッシュ・ナイハン症候群
先天性の遺伝病で発症率が100万分の1。自咬症が特徴。

なんて書き方じゃ、ふ〜ん ですが、
「自咬症」って、別名「自己食症」なんですよ。自分の体をムシャムシャ食べる訳です。。
指とか、唇とか、舌とか、鼻とか。。。。
全指、上唇下唇、頬、あご、舌、鼻を欠損するそうです。
最後は、目の下に大きな穴が開くそうです。昔の鼻や口の名残りなんですね。
そして若年でその生涯を全うすると。




怖いっす(涙目)

現に、この病気の患者さんは世界中に多数いる訳です。生まれた時から発症しているらしい。
可哀想です。遺伝子治療科学の進化を希求します。


で、どういう内容の本か?ってのはamazonで粗筋も読んで頂ければ幸いですが
(生物兵器テロ話なんですよ)
この作品の中で記憶に残ったフレーズが
「自然界で同一個体数が増えすぎると、その数は疫病発生で調整される」
つまり現代人を殺めているエイズやエボラ、鳥インフルエンザ等を指す言葉です。

中世は「黒死病」
デカメロンやベニスの商人です。
瞬く間に欧州中を席巻し、ヨーロッパの人口が半分になったと。
黒死病=ペストってが世界の常識です。

ところが!
日本獣医学会さんのサイトに、それに疑問を呈する説が掲載されていました。
あっしは医学は素人ですので、素直に驚いています。
これが学界の定説なら、正直すまんかったです。


中世の黒死病はペストではなくウイルス出血熱
(前略)
ところで、著者らは英国の古い記録を詳細に調べて、この発生について興味ある考察を行っています。この際の症状は嘔吐、鼻からの出血、皮膚の突然の内出血、昏睡などです。解剖の結果では胃、脾臓、肝臓、腎臓の出血など、さまざまな病変が見いだされています。また、1656年から57年にローマとナポリでの解剖例では全身が黒ずんだ内出血に覆われ、腹腔をはじめ内臓が黒くなっています。これらの症状や解剖の結果は、これまでに信じられている腺ペストとはまったく異なっています。死亡は急速で、その前に内臓全体に壊死が起きている点が特徴的で、著者らはこれらがエボラ出血熱、マールブルグ病などウイルス性出血熱にきわめて似ているという意見です。
(中略)
黒死病が腺ペストによるものではないとの立場を受け入れれば、これは市民社会が生まれて以来、起きていたエマージング感染症のひとつに過ぎず、この原因ウイルスは今でも動物集団の中で眠っていて、2000年以上の間に時々黒死病を起こしていたものとみなされると述べています。

つまり最悪の見方をすると、
黒死病はエボラ出血熱であった。
その株は、ある動物集団を宿主に眠っていて、700年〜1,000年周期で突如目を覚まし、数千万人単位で人類を殺戮、ウィルスは再び眠りに就く。と。
先のアンゴラでのマールブルグ禍は、単に小さな余震に過ぎないと。


【拙ブログ関連記事】
映画感染と 村上龍ヒュウガウィルスと エボラウィルス最新情報









  ※ コメント認証制です。URL記述不可。久保田直己さんの名誉を毀損したり誹謗中傷する書き込みは固くお断りします。
※ 全角換算400文字超を入力するとコメント飛びます。要分割投稿。